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カーナビがない時代の助手席はめちゃくちゃ忙しかった? 紙の地図を頼りにドライバーをサポートしてみた

2017/9/22 19:01 ネタりかコンテンツ部

カーナビがない時代の助手席はめちゃくちゃ忙しかった? 紙の地図を頼りにドライバーをサポートしてみた カーナビがない時代の助手席はめちゃくちゃ忙しかった? 紙の地図を頼りにドライバーをサポートしてみた

ライターの小野洋平です。

 

車でドライバーの隣の席を「助手席」と呼びますよね。言葉の由来は諸説あるようですが、かつてはそこに座る人が文字通り「助手」の役割を求められていた時代があったようです。

 

そのなかでも、特に重要なオシゴトのひとつが「道案内」。カーナビがない時代、地図を開いて目的地への道筋をドライバーへ伝えるのは主に助手席に座る者の任務でした。

 

▲おいおい地図がでかすぎるヨ~。当時はきっと、こんな微笑ましいやりとりもあったことでしょう(写真:Adobe Stock)

 

地図で道案内……。想像するだけで大変そうなミッションなのですが、それってカーナビという文明の利器に慣れ切った現代っ子にも務まるものなのでしょうか?

 

というわけで、若葉マークの頃から当たり前にカーナビの便利さを享受してきた“カーナビネイティブ”のライターが、紙の地図による道案内にチャレンジ。身をもって、「昔の助手席の大変さ」を検証してみることにしました。

 

 

銀座から横浜スタジアムを目指します

カーナビが普及し、スマホでも精度の高い道案内アプリが利用できる時代。ドライブの際に、紙の地図を使う機会はめっきり減りました。

 

 

しかし、かつてはどの車にもこうした「でかくて分厚い地図」が置いてあったようです。

今回はこの地図を使って「初めてのナビ」に挑みたいと思います。果たして、助手の責務をしっかりまっとうすることができるのでしょうか?

 

※ちなみに最初にいっておきますが、筆者は超が付くほどの地図オンチですので、今回の記事は道に詳しい方、地図に強い方にとってはもどかしい部分が多々あるかと思います。しかし、そのイライラこそ、この日運転してくれた「ドライバーの心情そのもの」。みなさんも、至らぬ助手こと僕にイラつくドライバー目線でご覧いただけたら幸いです。

 

 

今回、ドライバーをお願いしたのはベテランカメラマンの森カズシゲさん(向かって左)。親しい友人相手だとつたない道案内でもなあなあで許されてしまうため、あまり親しくない業界の大先輩をアサインさせていただきました。なお、会うのはこの日で3回目。仕事以外で会話を交わしたことはほぼなく、微妙に緊張感が漂う関係性といえます。

 

というわけで、銀座で撮影を終えた森さんと合流。目的地は森さんがベイスターズファンということなので、「横浜スタジアム」にします。

 

さっそくカーナビをオフにして……

さあ、出動や~~~!

 

 

……15分経過。出動、できず!

 

道案内以前に、そもそも紙の地図に慣れておらず、現在地の銀座を探すだけで5分、目的地の横浜スタジアムを探すのに5分、銀座とハマスタをつなぐルートを把握するのに5分かかってしまいました……。

 

カーナビを使っていれば、今ごろ隅田川くらいはゆうに越えられているはずです。でかくて分厚い地図の扱いづらさを舐めておりました。

 

 

森さんの「今日、子どものお迎えがあるんだよね~(訳:早くせんかい)」という呟きが焦りに拍車をかけますが、圧に屈せず地図とじっくり向き合った甲斐あって、効率のよいルートが見えてきました。

 

 

どうやら第一京浜こと国道15号をひたすら南下していけば、とりあえず横浜へはたどり着くようです。

 

国道などのいわゆる幹線道路っていうのはじつにうまくできていて、主要な都市間の移動であれば、どんなに遠く離れていてもほぼ真っすぐのルートで目的地の近くまで行けてしまうんですね。すごいぞ、国道。

 

 

とはいえ、勝負は横浜の市街地に入ってから。国道15号は横浜市街で国道1号と接続し、そのまま大阪までつながっています。曲がる場所を間違えたら、果てしなく遠くまで行けてしまうわけです。すごいぞ、国道。

 

いや、感心してる場合じゃない。目印と地図を照らし合わせ、曲がる場所を絶対に間違えないよう現在地を逐一チェックせねば!

 

 

 

助手は運転手以外にも気を配るべし

しかし、地図とにらめっこしているだけでは真の助手とはいえません。道案内だけでなく、ドライバーが気持ち良く運転できるよう会話を盛り上げたり、ドライバーの飲み物にストローを差してあげたり、鼻毛を抜いてあげたり、“ワンランク上の助手”になるためのオシゴトがあるのではないでしょうか?

 

そこで、ライターや編集者を伴っての地方取材も多く、日頃からさまざまな“助手”と接している森さんに、改めて「助手席でのありかた」を伺ってみることにしました。

 

 

森さん「助手席でやってほしいこと? いや、まあ正直、へんに気を遣ってほしくないんだよね。無理にいろいろやろうとしたって、最後までもたないでしょ。眠かったら寝てもらったって、ぜんぜん構わないしね」

 

森さんは心が広いので、若いライターが気を遣えなくても特に腹は立たないそう。たとえば今日も、撮影係で同行している編集がさっきから森さんのボケ(※)を雑に処理しているんですが、ずっとニコニコしておられます。(※森さんは、会話に細かい小ボケを入れてくるタイプの人です)

 

 

とはいえ、そんな温厚な森さんでも、助手席でやられると嫌なことはあるようで……。

 

「一番きついのは、コミュニケーションを拒否されることかな。以前、東京から片道5時間くらいの地方取材に行った時に、最初からずっと窓の外を見て『話しかけないでオーラ』全開のライターさんがいてね。往復10時間で二言くらいしか話さなかったんじゃないかな(苦笑)。どうせなら寝てくれって思ったんだけど、ずっと起きてるから……。アレは気まずかったなあ」

 

森さんがボケをかましすぎて呆れられたわけではなく、初対面からずっとそんな調子だったそうです。それは助手以前に、人としてあるまじき態度ですね。

 

ほかには、ニオイ系。

 

「助手席で食べてほしくないものナンバーワンはカップ麺かな。車内にニオイが充満して逃げ場がないからさ。あとは、エアコンの送風口に足を乗っけられると、ニオイが風に乗って後部座席の人が迷惑するからやめてほしいね。ドライバーだけじゃなくて、同乗者全員に気を遣えないと駄目なんじゃない?」

 

 

そうこうしている内に、横浜まで11kmとなりました。速いね、車って。

 

 

カーナビが使えない今、現在地を把握するための貴重な情報源となるのがこうした「青い看板」です。これまでは「青いな~」くらいの感想しか抱いていなかったのですが、今日はこれが命綱です。

途中、命綱から突如「横浜」の文字が消えて企画が絶命しかけましたが、すぐに「横浜に入ったから『横浜』の案内が消えた」のだと気づきます。

 

 

というわけで、横浜に着きました。ここから横浜スタジアムまでは市街地を通るルート。道が入り組んでいるうえ一方通行も多く、ナビゲーターとして迅速かつ的確な状況判断が求められます。

 

そう、迅速かつ的確な……

 

 

「ここ、どこ???」

 

気づけば、やたら長いトンネルに迷い込んでいました。どうやら、いつの間にか曲がるべきポイントを過ぎてしまったようです。おそるべし、横浜。おそるべし、クルマ社会。

 

こんなとき、カーナビだったらすぐに新しいルートを検索し、迅速かつ的確に軌道修正をしてくれるんですが、迅速でも的確でもない僕のナビ能力ではとても追いつかず……。

仕方がないので、いったん車を停めてもらい、じっくりとルートを再考することにしました。

 

 

地図ビギナーがやりがちな、「上下ひっくりかえしの術」なども駆使しながら、道を吟味すること10分……。

 

 

そもそも現在位置が分からないので、目印となるものを探すこと10分……。

 

そんな筆者をリラックスさせようと森さんが色々話しかけてくれるんですが、余裕のない僕は完全に上の空。生返事を返すことしかできません。

 

そういえば、さっき森さんこう言ってたな……。

 

 

「一番きついのは、コミュニケーションを拒否されることかな」

 

 

 

その後もコミュニケーションを犠牲にし、森さんに嫌われることも辞さない覚悟で道案内に集中した結果、ついに

 

 

ハマスタだーーーー!

 

そう、正面にそびえ立つのは紛れもなく横浜スタジアムが誇る「Y」型の照明塔。瞬間、車内には歓声が沸き起こり、先ほどまでの険悪ムードがウソのような連帯感が生まれました。

 

 

というわけで、森さんとも和解。それどころか、「ナビゲーターと運転手、二人で成し遂げた感があってなんだか嬉しかった。正直、知っている道なのでもどかしさもあったけど、一生懸命案内しようという姿は好感が持てたよ」という、助手冥利に尽きるお言葉も頂戴しました。

 

大変だったけど、やってよかったな~。森さんとの絆も(たぶん)深まったし。

 

まとめ

客観的に見て僕は、地図は読めないわ、指示はトロいわ、コミュ力低いわ、助手席を預かるパートナーとしては相当なポンコツだったと思います。しかしそれでも森さんがおっしゃるように、“二人でゴールした”という達成感が、全てを帳消しにしてくれたように思います。

 

結果として、たかだか1時間半のドライブだったにも関わらず、2泊3日の温泉旅行でもしてきたかのような絆が生まれたわけです(と僕は勝手に思っています)。

 

みなさんも友人や恋人とドライブする際、あえてカーナビを封印し、助手席のナビを頼りに目的地を目指してみてはいかがでしょうか? 道のりは遠くなるかもしれませんが、心の距離はグっと縮まるはずですよ。

 

取材・文:小野洋平(やじろべえ)

編集:榎並紀行(やじろべえ)

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