お湯をかけるだけでカレーやパスタに……食べたことある?

2017/9/15 11:31 ネタりかコンテンツ部

フリーズドライの食品と聞いて何を思い浮かべますか? 代表的なのはコーヒー、味噌汁、スープなどではないでしょうか。

しかし、最近はリゾットやパスタ、カレーにもフリーズドライ商品が登場していると聞いて、販売元のアサヒグループ食品株式会社に、商品ラインアップや売れ筋商品について伺ってきました。

 

▲お話を聞かせてくださった食品マーケティング部の柳澤さんと前田さん

 

フリーズドライとは、文字通り凍らせたまま乾燥させること

── そもそも「フリーズドライ」とは何でしょうか?

「フリーズ(凍らせる)」と「ドライ(乾燥させる)」、つまり凍らせたまま、乾燥させる技術です。

凍結前の食品中の水分は液体として存在しています。食品を凍結させると、その液体は固体(氷)に変化します。それをさらに真空下で乾燥させると、氷となっていた部分が昇華して穴のあいたスポンジ状になります。

お湯を注ぐと復元するのは、穴のあいたスポンジ状の部分に水分が含まれて、食品を復元するという原理を用いているからです。

 

▲ブロックタイプのフリーズドライ味噌汁。お湯をかけることで食材が復元する

 

── フリーズドライの技術を食品に利用するようになったのはいつ頃のことですか?

フリーズドライの技術は、もともとイギリスやアメリカなどで、軍事用の携行食を軽量化するために利用されていました。血清を乾燥させるなど医療にも展開していったようです。

日本では、1960年代にインスタント味噌汁、インスタントコーヒー、カップ麺の具材などが次々と誕生しています。

その後、ブロックタイプの味噌汁やたまごスープなどのフリーズドライ商品は広くお茶の間に浸透していきます。

 

デンプン質や油分の多い食品はフリーズドライに向かない

── どんな食品でもフリーズドライにできるのでしょうか?

残念ながら、すべての食材がフリーズドライに向いているわけではありません。

基本的には、フリーズドライにすること自体はたいていの食材なら可能ですが、おいしく食べるための復元性に課題があるようです。例えば、お餅などデンプン質の多い食材は復元性が悪く、またカレーなど油分の多い食品は、そもそもフリーズ(凍結)しづらいので特に難しいと聞いています。

 

▲油分の多いカレーをフリーズドライにするために独自の技術を開発した

 

── しかし最近は、カレーやパスタなどのフリーズドライ商品も見かけます。

カレーにしてもパスタにしても、フリーズドライに向くように技術開発をしたうえで加工しています。

パスタは、企画から開発、商品化まで約2年、フリーズドライ用のために、金型まで特注しました。

最近、メディアで話題になったチキンカツカレーも、商品化まで1年以上かかりました。

 

▲話題を呼んだフリーズドライのチキンカツカレー(現在は販売終了)

 

味噌汁をはじめ約200種類のフリーズドライ商品がある

── 一番売れている商品は何ですか?

1983年に具と味噌の一体型のブロックタイプのフリーズドライ味噌汁を世界で初めて発売しました。現在は80種類の味噌汁がフリーズドライ食品の売上の約7割を占めています。

開発時には、担当者がフリーズドライの味噌汁に合う味噌を探して、全国各地を巡ったそうです。

 

▲アマノフーズの売上の7割を占めるというブロックタイプの味噌汁。特に「なす」には自信あり

 

▲おいしい味噌汁を作るには、お湯の量をきちんとはかることが重要

 

他にも、カレーやリゾット、にゅうめん、雑炊、お粥、親子丼などのどんぶりの素など、約200種類のアイテムを販売しています。

スーパーやコンビニ向けなどに向けた量産商品の設計をする部門とは別に、フリーズドライをもっとたくさんの方に知っていただくための、「おいしくてちょっとおもしろい商品」を企画する部門があります。

フリーズドライ商品としてはインパクトの強い「チキンカツカレー」は、その部門が企画しました。

 

▲お湯をかけただけでこんなに本格的なチキンカツカレーができあがります(ご飯は別)

 

── 今、特に力を入れているフリーズドライ食品は何でしょう?

平凡と思われるかもしれませんが、スープです。特に、即席スープについての調査で「おいしくて毎日飲んでいるけれど、旨味という点には満足していない」というお客様の声に着目し、旨味をコンセプトに、たまごの量は2倍(アマノフーズの従来品と比較)、黄身も増やしたたまごスープを作りました。

 

▲たまごの旨味にこだわった「Theうまみ たまごスープ」。たまごの量は従来の2倍!

 

昨今、和食が世界無形文化遺産になったり、旨味が世界共通の言葉になったり、空前の出汁ブームです。

味や香り、食感が損なわれにくいフリーズドライ製法なら、素材本来の旨味が再現できると開発した当社の自信作です。

 

「フリーズドライなのにおいしい」から、「フリーズドライだからおいしい」へ

 ── 今後、フリーズドライにしていきたい食材、料理はありますか?

水分を多く含んだ雑炊やリゾットは商品化しましたが、炊きたてのようなお米そのものはまだフリーズドライ化はできていません。また、おでんの商品化も考えましたが、ある程度の大きさのダイコンはできても、こんにゃくやゆで玉子は難しいなど、課題はあります。

基本的には、どの商品も同じ製造工程で作っていきますが、新しい原料の場合は、試行錯誤しながら研究開発、試作、評価を繰り返すので時間がかかります。よく「フリーズドライなのにおいしい」というご意見をいただきますが、「フリーズドライだからおいしい」と言っていただけるようになるといいなと思っています。

こんな食材、料理をフリーズドライにできないかというお声も募集しておりますので、コメントをいただければうれしいです。

 

まとめ

・フリーズドライ製法とは凍らせたまま真空下で乾燥させる技術

・そもそもはイギリスやアメリカなどの国で軍事用や医療用として使われていた

・日本に入ってきたのは、1960年代。インスタントコーヒー、カップ麺の具材、味噌汁といった商品が次々に誕生した

・デンプン質や油分の多い食材はフリーズドライに向かない

・アマノフーズで一番売れているのは味噌汁。イチオシは卵スープ

・お米そのものやおでんなどはまだフリーズドライ化できていない

 

(取材・文 / たなかみえ)

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