爆発的ヒット『おしりたんてい』のポプラ社が手掛ける「大人も楽しむ児童書」とは?

2017/9/14 18:33 ダ・ヴィンチニュース

旭屋書店池袋店にて 旭屋書店池袋店にて

 幼いころは、『おばけのてんぷら』や『くまの子ウーフ』などの絵本。小学校にあがってからは、『かいけつゾロリ』や『ズッコケ三人組』などのシリーズ。文字をおぼえ、物語に触れ、わくわくする世界をポプラ社の本を通じて冒険してきた大人は多いんじゃないだろうか。

 そういえば初めて株のしくみを知ったのは『うわさのズッコケ株式会社』で、子供ながらに「児童書ってあんがい奥が深いぞ」と思った記憶がある。実際、いまどの本を読み返してみても、誰にでもわかるやさしい言葉で、大人でも取り扱うのが大変なたくさんの感情を描き、世界の奥深さを教えてくれるものばかりだ。

 そんな作品世界に心を浸したい大人たちをもターゲットにした文庫レーベル「ポプラ文庫ピュアフル」が、ただいま「あなたの物語、ここにあります」と銘打ちフェアを開催中。対象4作品から2冊を読んで応募すると、全員にポストカードをプレゼント。

 さらに開催を記念し、9月18日には安東みきえさん、魚住直子さん、やえがしなおこさんの3作家を招き、「大人も楽しむ童話の世界」朗読&サイン会を行う。創作秘話を直接聞ける貴重な機会、その概要は記事末尾を参照していただくとして、まずは今回のフェアに寄せて送られた書店員さんのコメントと、作品をご紹介しよう。

三省堂書店池袋本店売り場のようす金澤恵さん

新刊のフェアってめずらしいですよね。「あなたの物語、ここにあります」というコピー、とてもいいと思います。『クマのあたりまえ』を早速読みました。帯の「死んでるみたいに生きるんだったら、意味がないと思ったんだ。」、いいですよね。イラストもとてもいいんです。これってホントに児童書(YA)ですか? 大人こそ読むべき内容です! 実は最近、児童書や絵本に目覚めて、読んでいます。2冊読むとポストカードがもらえるんですね。じゃあ…次は表紙が気になる『ペチカはぼうぼう猫はまんまる』を読んでみます。三省堂書店池袋本店 文庫担当 金澤恵さん

いいとこ取りが、できる??
フェアの良いところは、いつもより多くの場所に本を置くため、お客さまと本との出会う機会が増えるところです。また、フェアだからこそ、どんな本がまとまっているのかな? とわくわくもします。対して、文庫の新刊の良いところは、単行本の時に手に入れるのを躊躇っていた方が、もう1度本と出会う機会が出来るところです。
今回の試みで、この2つのいいとこ取りが出来、いつもよりも多くの方に、手にとって頂くことになりますように、と祈っております。ジュンク堂書店池袋店 文庫担当 福岡沙織さん

■フェア対象作品

『ペチカはぼうぼう 猫はまんまる』(やえがしなおこ)

「ペチカはぼうぼう 猫はまんまる おなべの豆は ぱちんとはじけた」。そんな歌から始まる、誰も知らない、誰も見たことのない物語。たったひとしずくですべての命がよみがえる、聖なる泉をめざして旅する猫と犬と馬は、大切なご主人のために彼らは正しい道を見つけることができるのか。心を覗きこむ悪魔と対峙した若者は、誘惑にうちかち立派に仕事をなしとげることができるのか。短いお話のなかでころころと動き出す運命。美しさも愚かさも、愛も悲しみもすべてつめこんで、みんなが幸せになる道を願う著者の想いが込められた、優しくて不思議な短編集。

『風町通信』(竹下文子)

その町へ行くのに特別な切符や旅券はいらない。だけどどうすれば辿りつけるのか誰も知らないし、訪ねたという人の話も聞かない――。いつの時代にどんな人たちの手でつくられたのか、記録は何もないし、語る人もいない不思議な風の吹く「風町」。郵便屋に扮して「私」にマフラーを編ませようとするトラ猫、いつのまにか巻き込まれていたカラスの結婚式、いつまで経っても正しく修理してくれない太ったガラス屋。不思議でとぼけた住人たちの住むその町を、内側と外側から描き出す連作ファンタジー。

『クマのあたりまえ』(魚住直子)

「もっと大変なリスはたくさんいるんだから、きみは実は幸せだよ」と言われてしまったリスが、自分より幸せなリスと不幸なリスを見比べながら学んだこと。食べもしないのに殺してばかりのアオダイショウが、盲目の少女と出会って知った、他人と触れ合うことの喜び。死ぬのがこわくて、感情も感覚も全部捨てちゃおうとしたクマの子が見つけた、生きることの意味。「死んでるみたいに生きるんだったら、意味がないと思ったんだ」――たくさんの動物たちの懸命に生きるさまを通じて、世界の姿を教えてくれる9つの短編。

『ゆめみの駅遺失物係』(安東みきえ)

 あなたが失くしたのはどんなお話でしたか? ゆめみの駅の遺失物係を訪ねた少女に、駅員が「拾得物語台帳」を見せ、誰かが失くした物語を語る。永遠を探して石と友達になった少女、大きすぎる愛が悪夢となったバクの母子、ルリシジミの舞う庭に託された願い。おとぎ話の狭間を旅した7日間で少女が見つけたものとは……。「生きていくということは、多くのものを失くしていくとこと」だけど「失くした分だけ、生み出していけばいい」。そう語る著者が、読む人の痛みやさみしさに寄り添ってくれる、喪失と再生の物語。

ポプラ文庫ピュアフル9月刊
「あなたの物語、ここにあります。」刊行につきまして
ポプラ社は児童書を多く刊行している出版社ですが、児童書として刊行された本のなかには、子どもだけでなく、大人にも広く読まれ、愛されている作品がたくさんあります。
子どもは繊細で瑞々しい子どもの感性で楽しみ、さまざまな経験を積んだ大人には、また違う感じ方で心に沁みてくる。そんな、深みのある作品です。
いくつになったって童話を読んでいいし、物語を心の中に持っていると、辛いときに暗闇を照らしてくれたり、荒れた心を潤してくれたり、迷う背中を押してくれたりするのではないかと思います。孤独感や、疲れやストレスの多い現代に、そっと生きるのを助けてくれるような作品に出会うきっかけになってほしいと、この童話物語4作品を文庫化いたしました。心の友となる物語に、出会っていただけたら嬉しいです。ポプラ文庫ピュアフル編集長

■ポプラ文庫ピュアフル「あなたの物語、ここにあります」フェア開催記念

「大人も楽しむ童話の世界」朗読&サイン会

登壇/安東みきえ、魚住直子、やえがしなおこ
日時/9月18日(月祝) 18:30開場、19:00開演
入場料/ドリンク付きで1000円(当日、会場の4F喫茶受付にて支払い)
URL/https://honto.jp/store/news/detail_041000023067.html?shgcd=HB300
※要予約。1階サービスコーナーもしくは電話にて(03-5956-6111)。
※キャンセルの場合、事前にお知らせください。

【イベントに関するお問い合わせ】
ジュンク堂書店池袋本店
東京都豊島区南池袋2-15-5
TEL 03-5956-6111

文=立花もも

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