iPhone 8へのアップグレード、iPhone 7ユーザーには悩ましい選択

2017/9/14 17:21 MEN’S+(メンズ・プラス)

 アップルが9月12日(米国時間)に発表した「iPhone 8」「同8 Plus」は、外観の一部を変更したほか、ワイヤレス充電機能を追加し、搭載パーツの性能を向上させたモデル。だが、前機種の「iPhone 7」「同7 Plus」のユーザーにとって、わざわざアップグレードするだけの違いが本当にあるのだろうか。

アップグレードしますか?

 アップルはiPhoneのリリース方針として、2年に1度大幅なデザイン変更を行い、その間に挟まる年にはソフトウェアの変更に重点を置いた「S」モデルをリリースしていたと考えられる。

 しかし今年はこのパターンが完全に破られた。2016年にリリースされたiPhone 7とPlusのSモデルは発表されず、代わりにiPhone 8とPlus、「iPhone X」という3つの新機種が発表されたからだ。初代iPhoneの発売10周年を記念して発表された「X」(テンと読む)は、英国では初めて価格が1000ポンドを越えたiPhoneとしても注目を集めている。

 ただし、すでにiPhone 7を使っているユーザーにとって、新しいiPhoneに「わざわざ大枚をはたいて手に入れるだけの価値があるかどうか」という点では疑問が残る。

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 iPhone 7からiPhone Xへの買い換えなら、アップグレードするだけの価値が十分にあるというのが私たちの考えだ(もっとも、とても高価なiPhone Xを買えるだけの金銭的余裕があれば、の話ではある)。

 iPhone Xは豪華でパワフルなスマートフォンで、実に素晴らしいディスプレイ、防水処理を施されたボディ、そのためだけに買う価値がありそうな高性能カメラなどを備えている。前面のディスプレイや背面に貼られたガラスがこなごなにならなければ、余裕で2年間は使い続けることができるはずだ。

 それに対してiPhone 8は、iPhone 7ユーザーがお金を出してわざわざ手に入れるだけの価値があるものとは思えない。先行機種に比べて大幅にアップグレードされた点が見当たらないからだ。性能や機能の点で特筆に値する違いが多くあるわけでもない。

 iPhone 7のデザインがiPhone 6の焼き直しであったことを、読者の多くはご存じだろう。iPhone 6と7との外観に関する最大の違いは、背面を横切って延びるアンテナ線の有無と、ヘッドフォン端子の有無だけだ。背面がアルミ素材のiPhone 7には6色のカラーバリエーションもあった。

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 iPhone 8の外観は、iPhone 7とほとんど変わっていない。唯一の大きな違いは背面がアルミからガラスに変わったことで、これによりiPhone 8はワイヤレス充電が可能になった。だが、それ以外にこれといった違いはなく、ディスプレイのサイズはいずれも4.7インチ/5.5インチ(Plus)で、防水仕様である点も同じだ。なお、iPhone 8で新たに追加された色「ゴールド」は、最近リリースされたヘッドフォン「Beats Studio3 Wireless」と完璧にマッチする色合いではある。

 カメラについては、2016年のiPhone 6SからiPhone 7へのアップデートで大幅な機能の向上が図られていた。それに比べると、iPhone 7とiPhone 8との違いはほとんど気がつかない程度でしかなく、とくにデュアルカメラ付きのiPhone 7 Plusの場合はほぼ一緒といっていい。7・7 Plusと同じく、iPhone 8・8 Plusの背面カメラには12メガピクセルのセンサーが搭載されている。そして、暗所での撮影性能が優れている点は4機種とも同じで、手ぶれ防止機能内蔵、明るいLEDフラッシュ付きといった点も変わらない。他方のiPhone 8と8 Plusに搭載されたカメラのほうがオートフォーカスのスピードが速く、ノイズ低減機能の向上でよりシャープな写真を撮れるといった違いはある。また、iPhone 8では動画撮影機能が向上しており、撮影できるフレームレートがiPhone 7の2倍になっている。

 この新しいカメラは今後登場するAR(拡張現実)アプリでその真価を発揮しそうだ。実際、「新しいジャイロスコープとアクセロメーター・チップを搭載するこのiPhoneは、ARを想定して設計された初めてのモデルです」とアップルも言っている。

 AR機能については、たとえば野球を観戦中にグラウンドにiPhoneのカメラを向けると、画面に映った選手の頭上に名前が浮かびあがり、成績を調べたり、出塁中の選手は誰かといったことがわかる、という例が発表のなかで紹介されていた。

 チップ類の性能向上については、普段からiPhoneを使っている分にはほとんど違いに気付かないだろう。iPhone 7がすでに十分高速だというのも、違いに気付きにくい理由のひとつだ。iPhone 8では新たに「A11 Bionicプロセッサー」という6コアのより高速なSoCが採用されたが、搭載されるメモリ(RAM)の容量は前機種と変わっていない−−iPhone 8は2GB、同8 Plusは3GBだ。Plusのメモリ容量が3GBなのは、より大きなサイズの画面でのグラフィック処理に多くのメモリが必要なためだ。

 バッテリーの持続時間については、アップルはまだ具体的な数字を明らかにしていない。ただし、私たちが行ったiPhone 7のテストでは、通常の使い方なら余裕でまる一日充電せずに使い続けられることがわかった。7 Plusの場合はさらに優秀で、1度の充電で2日近く電池がもつ場合もあった。なお、iPhone XはiPhone 7に比べてバッテリー持続時間が2時間長いという。

 新しいゴールドのモデルがどうしても欲しいという人や、ARアプリで遊んでみたいという人は別にして、iPhone 7のユーザーがiPhone 8にアップグレードすべき必要性を私たちは見いだせない。むしろ、より高価なiPhone Xを買うためにお金を貯めるか、あるいはもう1年待って次に出るiPhoneを手に入れるほうがいい、というのが私たちの考えだ。

(記事提供:『ベスト・プロダクツ』

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