「フランスのパンを美味しく食べる方法は?」の答えが予想外だった。日仏パンの違いを調査

2017/9/8 19:01 ネタりかコンテンツ部

朝食はほぼパンを食べているライターの野田綾子です。

 

パンといえばフランスを思い出す方も多いかもしれません。その本場と日本のパンはどう違うのでしょうか。

両者のパンの違いを調べたく、フランスの伝統製法にのっとってパンを作っているパン屋「メゾンカイザー」さんに話を伺いました。

 

▲「メゾンカイザー」高輪本店(東京都)

 

取材に応えていただいたのは、製造グループ・マネージャーの朝倉佳浩さん。

 

 

 

日本とフランスのパンの特徴

朝倉さんによると、フランスと日本のパンは以下のような違いがあるそうです。

 

【食べられ方】

フランス:フランスではパンはあくまで料理の添え物。例えばディナーの主役はあくまでメインディッシュで、パンは主役を美味しくする脇役ととらえられています。単体だけで食べると、もの足りなさを感じますね。

日本:日本では食事のメインとして食べることも多く、主役も脇役もどんな役でもできるカメレオン俳優のようなイメージ。メロンパンやカレーパンなどは単体で食べても美味しいですよね。

 

▲フランスのパン

 

【食感】

フランス:硬いものが好まれています。外はガリっと、中はモチっとしています。

日本:やわらかい。

 

【種類の数】

フランス:そんなに多くありません。フランスでは細長い「バゲット」や太く短い「バタール」のように同じパン生地から形の違うパンを作っています。

日本:あんパンやメロンパンなどの「菓子パン」から、焼きそばパンなどの「食事パン」まで種類が豊富です。そのため、職人は幾種類ものパン生地を作らないといけません。

 

▲バケット

▲バタール

 

【値段】

フランス:バゲットはたいてい1ユーロ(約130円)ほどで売られています。

日本:フランスに比べるとやや高めです。メゾンカイザーの店舗では280円(税抜き)でバゲットを売っています。

 

【店舗】

フランス:自分の欲しいパンを店員に注文する対面式で売られています。

日本:店内に並んでいるパンを自分で選び、購入するスタイル。

 

▲日本のパン

 

パンにこだわるフランス人

——フランス人が好きなパンって何ですか?

ぶっちぎりの人気はバゲット。パリにある姉妹店エリックカイザーでは1日1,000〜2,000本は売れている一方、日本のメゾンカイザーの店舗では多くてもフランスの半数くらい。バゲットにこだわるフランス人は多く、自分のお気に入りのバゲットを売るお店の近くに引っ越す人もいるくらいです。

 

▲パリにある姉妹店「エリックカイザー」

 

——フランスの方はバゲットにこだわりを持っているんですね。

フランスのバゲットは先が細いのが特徴で、これもフランス流。食べる順番にこだわる人もいて、はじめに先端を折り先っぽを食べてから全体を食べる人もいます。バゲットの硬さにうるさい人もいて、自分好みの硬さのパンしか食べない人もいます。それくらいフランス人のこだわりは強いんです。

 

▲まず端っこを折って食べるスタイルを貫く人も

 

——日本にはあんパンなど“何か”を足したパンがありますが、フランスにはありますか?

ないですね。日本の独自の食文化です。日本は菓子パンがありますし、デザートとしても食べますよね。でもフランスではパンは食事の時に食べるものとしてとらえられています。

 

 

——フランスの方が日本に来たら、パン文化の違いに驚くんじゃないんですか?

日本のパン屋に来たら、パンが規則正しくきれいに並んでいる様子に驚くでしょうね。

フランスのパン職人が指導のため来日した時、日本の職人がお店規定の長さになっていないバゲットを見て「長さが違うと売れない」と言ってはじいたんです。その言葉を聞いたフランスのパン職人はビックリしていました。

彼は「パンは生き物。生き物に個性があるのと同様に、パンにも個性が出る。だから色も太さも長さもバラバラになるのは当然。むしろその個性を楽しむのがフランス流だ」と語っていました。

日本式がいい、フランス式がいいと優劣をつけるつもりはなく、これが文化の違いなんだと思います。

 

——オススメの食べ方はありますか?

バゲットを好きな長さに切って、パンの脇をカット。バターを塗ったら、チーズとハムを挟む。シンプルですがパンの美味しさを味わえます。

 

▲ハムとエメンタールチーズのサンド

 

——フランスのパンが最も美味しくなる食べ方は?

それは簡単。愛する人と食べることです!

 

——えっ! バターを塗るとかコーヒーと一緒に食べるとか、そんな答えを想定していたのですが。

いえいえ。カフェで愛する人と向かいあって食べるのが一番です。って社長からそういう回答をしろと言われたんですよ。(笑)

 

——愛の国フランスらしい答えですね。(笑)

 

 

取材を終えて

 

取材を通じて印象的だったのが、「日本はパンの形を均一にするため、規定に沿ってきちっと作る。対してフランス人は規定を気にしない。バラバラの形になってもそれを個性としてとらえる」という言葉。

食文化を通じて日本とフランスの考え方の違いを発見できました。

 

ぜひ、フランスのパンを食べて違いを味わってみてください。ボナペティ。

 

 

 

取材・文:野田綾子
取材協力:株式会社ブーランジェリーエリックカイザージャポン
メゾンカイザー オフィシャルウェブサイトhttp://maisonkayser.co.jp/

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