公園や河川敷、釣り堀の中にある「ワイルドな食堂」が心地よすぎる

2017/7/1 11:31 ネタりかコンテンツ部

ライターの小野洋平と申します。

Tシャツ1枚で過ごせるこの時期は「外飲み」が気持ちいい。テラス席のあるオシャレなカフェやダイニングもいいが、筆者が推したいのは公園や河川敷、釣り堀の中にあるワイルドな食堂だ。

目の前の川や池を眺めたり、風にそよぐ木々の音を聞いたりしながら食事をし、お酒を飲む。今回は、そんな最高に心地よい都内のワイルドなグルメスポットを3つほど巡ってみた。

 

1. 釣り人を眺めながら食べる、極上チャーハンと合鴨の燻製

まずやって来たのは「武蔵野園」。永福町駅からバスで5分の場所にある釣り堀だ。

こちらの魅力はなんといっても釣り堀に併設された食堂である。周囲を囲む公園の緑と、のんびり釣り糸をたらすおじさんたちを眺めながら食事ができる、最高の癒しスポットなのだ。

 

 

店内はいたって普通の大衆食堂といった雰囲気なのだが、奥へと進んでいくと突如鉄パイプで組まれた謎のビニールハウスが出現する。

 

 

ご覧の通り、ビニールハウスとしか表現のしようがない不思議空間だ。奥には緑に囲まれた釣り堀が見え、なんとものんびりとしたムードが漂っている。

 

 

ふと天井を見上げると、クマのぬいぐるみがブランコに揺られていて……。なんなんだ、この世界観は。

 

 

ちなみに、ビニールハウスゆえ店内は直射日光でさぞ暑かろうとご心配のみなさん、ご安心を。数台の業務用クーラーがガッツリ稼働しており、なんとも心地よい涼しさである。

 

ただし武蔵野園の魅力は、これらの“足を踏み入れた瞬間に別世界へトリップさせてくれるような非日常感”だけではない。やはり料理なのだ。

 

 

食堂にてオーダー後、釣り堀を眺めつつ、おばあちゃん家で飲むような瓶のサイダーでのどを潤しながら待つこと数分……。

 

 

ラムネ、チャーハン、五目天串、合鴨の燻製が到着。我ながらナイスなセレクトである。アルコールメニューも豊富に揃っているが、このあと2軒目、3軒目の取材もあるのでここはぐっと我慢した。

なお、こんなに頼んでも、先ほどのサイダーも含めて1750円だ。

 

 

まずは五目天串から。

レモンをたっぷり絞ってかじりつくと、ふんわりやわらかい練り物に人参や枝豆、きくらげなどの具が混ざり合って何ともハッピーな食感だ。いつまでも噛んでいたい。

 

 

続いて、合鴨の燻製。

これがまた、実に“本格的”だった。ジューシーなのに脂っこさがなく、くせのない鴨の味と燻製の香りが口いっぱいに広がる。タレはさっぱりしょうゆベースで、ビールがすすみそうだ。

 

 

付け合わせのオニオンスライスも、いい引き立て役となっている。

やわらかい鴨肉の上にシャキシャキのオニオンをのせ、からしをちょこんと付けて食べる。上品なフレンチの鴨などより、遥かに味わい深い。まあ、上品なフレンチの鴨など食べたことはないのだけど。

 

 

お次はチャーハン。

チャーシュー、キャベツ、ニンジン、タマネギなどのシンプルな具材を大きくカットした、どことなく実家感あふれるチャーハン。だが、そこには実家ではけっして再現できないプロの技が込められていた。

 

 

一口食べると香ばしさが鼻に抜け、米と具材が絶妙なバランスで舌の上を踊る。付け合わせの薄味スープとの味わいも抜群だ。

そういえば、チャーハンのスープがおいしい店はラーメンもおいしいと聞いたことがある。今度はこのスープを使ったラーメンもぜひ食べてみたい。

 

 

大満足の食後は、せっかくなので釣りをしていこう。

 

 

周囲を緑に囲まれたこちらの釣り堀。30分500円~で利用できる。(竿、エサ付き)

 

 

ここで釣れるのは主にコイやフナだ。ご覧の通り、ウヨウヨいる。

 

 

けっきょく筆者は1匹も釣れなかったが、都会の喧騒を忘れさせてくれる緑豊かな空間でのんびりと釣り糸をたらしていると、心の栄養みたいなものがチャージできる。

人生に疲れたら、またここに来るとしよう。

 

 

2. 川の流れをボーっと眺めつつ酒を飲む至福

続いてやって来たのは、稲田堤駅から徒歩約8分の多摩川の河川敷。

 

 

このようなザ・河川敷な風景の中に突如として現れるのが、稲田堤のオアシス「たぬきや」である。

 

 

水辺のほとりにポツンと佇む、知る人ぞ知る名店。日中にも関わらず、テラス席では川の流れをボーっと眺めながら酒を飲むおじさんたちの姿が見られる。こんなに心地よいロケーション、そりゃあ飲まずにはいられない。

 

 

平日の昼間から河原で生ビールを飲むというのは、なんともいえない開放感がある。クセになるとちょっとまずいが、たまにだったらこんなに贅沢な息抜きはないだろう。

 

 

なお、たぬきやは屋外もいいが、店内の雰囲気も素晴らしい。特等席は、川を望むこちらの座敷。畳が敷いてあって、ものすごく落ち着く。実家っぽいが、外の風景は実家とはかけ離れたワイルドさ。「世界一、川に近い畳」かもしれない。

 

 

ビールも最高だが、なんとなくこのロケーションにはホッピーが似合う気がした。

 

 

気になるメニューは、まずは定番の焼き鳥盛り合わせから頼んでみる。

炭火で焼かれた本格的な串5本は、とりもも肉、とり皮2本、つくね、かしらという構成。どれも香ばしく、肉自体もプリプリと弾力があってジューシー。タレの味付けもちょうどよい濃さだ。

 

 

焼き鳥とビールを一気に流し込む。

この瞬間、筆者の食道も目の前の多摩川にも負けない「一級河川」になった。うむ、感動しすぎてよくわからないことを書いてしまった。

 

 

続いては、つまみの王道・もつ煮だ。

これもうまい。一つひとつが大きく、箸で持つとブルンブルンと揺れるモツ。ゴムのように固く噛んでも噛んでも飲み込めないモツもあるが、これはするっと喉を通る。じっくり丁寧に煮込んであるのだろう。トロトロのタマネギやダイコンとあわせ、かなりハイレベルなモツ煮と言える。

 

 

そして、味噌おでん。

こんにゃくに味噌をぬっただけのシンプルさがウリの一品だ。一口サイズにカットされた熱々のこんにゃくに、甘い味噌をたっぷり絡めて食べると……

 

 

「あ、うまっ」

これも、言うまでもなくうまい。濃厚な味噌をビールで流し込む、幸せな反復運動が止まらない。天気も良くなってきたし、本当に天国だ……。

 

 

3. 缶ビール片手に、天然記念物の池を愛でる

最後に訪れたのは、石神井公園内にある休憩処「豊島屋」。石神井公園駅から徒歩15分、三宝寺池のほとりにある。

 

 

漫画『孤独のグルメ』にも、こちらの豊島屋がモデルになった店が登場するという。

店の奥は座敷になっており、年季の入った木製の長テーブルに、これまた使い込まれた座布団がある。実にレトロな“昭和感”満載の素晴らしい雰囲気なのだが、残念ながら店内は撮影NG。

 

 

そのため今回は、缶ビールと名物のおでんを買って、店のすぐ横に広がる池の前のベンチで食べることにした。

ダシが効いた、あっさり味のおでん。やわらかいダイコンをはじめ、一つひとつの具に味がたっぷり染み込んでいる。暑い季節でもリピートしたくなるおでんだ。

 

 

目の前には、この絶景が広がる。

一面、蓮の葉に覆われた三宝寺池。周囲には木々の緑が鬱蒼と茂り、ざわざわと風に揺れる葉音だけが聞こえる。ちょうど夕暮れ時だったので、ほんのりオレンジ色に染まる池の美しさも見事だった。

 

 

三宝寺池の周囲には木道も整備されている。せっかくなので、ビール片手に歩いてみることにした。

 

 

日が落ち、涼しくなった時間帯に、ほろ酔い気分で散歩する自然豊かな木道。「たぬきや」は天国みたいな場所だったが、こちらはなんだか極楽のような場所だ。

 

 

木道を進んでいくと、「三宝寺池沼沢植物群落」の石碑が。こちらは国の天然記念物に指定されているのだとか。東京23区、しかも住宅街に近い場所にまさか「天然記念物」があるなんて……。

首都圏にずっと住んでいるのに、全く知らなかった。

 

 

夏になると、カキツバタやコウホネ、ハンゲショウといった希少な植物を観賞することができるらしい。梅雨が明けたらまた来ることにしよう。

 

 

以上、どれも甲乙つけがたいほど素晴らしかった3つのワイルドな食堂。

1軒目の武蔵野園はとある雑誌で「昭和遺産」などと形容されていたが、まさにその通りの風情である。単なる名店という枠を超越し、たぬきや、豊島屋ともども、ぜひとも後世に受け継がれてほしい「遺産」と言えるだろう。

 

(ライター:小野洋平/やじろべえ)

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