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「ここ1年で意思決定を放棄する人間が増えたと思う」日本人の性格変化をディグラム診断・木原誠太郎が語る

2017/6/30 19:01 ネタりかコンテンツ部

こんにちは、ライターの砂流(すながれって読みます)です。

 

皆さんは「診断アプリ」を利用したことはありますか? 「これはすごく当たってる!」とSNSで結果をシェアされるような診断アプリの多くは、実は統計学や心理学などをベースにした科学的な根拠に基づき、その診断結果を提示しているそうです。

 

では、そのような診断アプリを作っている中の人は、現代の日本人の性格や行動をどのように捉えているのでしょうか? 話を聞いてみることにしました。

 

話を聞いた人

今回お話を伺ったのは、テレビなどでも話題の「ディグラム診断」の生みの親である木原誠太郎先生です。

 

 

人物紹介:木原 誠太郎

多くの企業のマーケティングコンサルティングに携わった後、2013年にディグラム・ラボ株式会社を設立。カウンセリングなどにも使われる性格診断法「エゴグラム」をベースに、数万人規模のアンケート調査や実証実験によるマーケティングデータと心理学とを組み合わせた性格診断プログラム「ディグラム診断」を開発。

*ディグラム診断はこちらで試すことができます→ http://digram-shindan.com/start

 

ここ1年で日本人は「他人に依存しストレス過多」という性格に変化していると思う

 

―― 本日はよろしくお願いします。まずは占いと診断アプリの違いについて教えてください

何かに迷っているとき、指針のひとつとしてテレビや雑誌の占いを見る人は多いと思うのですが、「来年幸せになります」と言われても何を根拠に幸せになるのかって曖昧なところがありますよね。

それに対し、ちゃんとした診断アプリなら「お墓参りに行くと、△△なことが起きる確率は統計的に◯%です」といった科学的データに基づいた指摘をおこなうことができるんですよ。

 

―― 占いと診断アプリでは、ユーザーが異なるのでしょうか

占いは感性的な部分が大きいので、女性のほうがはまりやすいという傾向があります。一方、男性はファクトを積み上げての理詰めの話が好きという傾向があるので、データに基づいて説明されたほうが納得しやすい。ですので、占いに興味のない男性にも使ってもらえているという点で異なります。ただ、最近はどちらのユーザーも似てきたように感じますね。

 

―― 診断アプリは統計データを活用しているそうですが、どれくらいの数のデータに基づいて診断結果を算出しているのでしょうか

アプリによって異なると思いますが、僕たちの「ディグラム診断」の場合は、データベースとしては約40万人分となります。利用者データでいえば過去5年間で約1400万人分のデータがあるのですが、これはデータベースとして利用するものとは切り分けています。

 

―― 数が多いほうが正確な診断結果が得られるのでは

いや、単に母数が大きければいいというわけではないんです。台風中継などで「定点カメラで河川の様子をひたすら記録している映像」を見たことがあると思うのですが、統計データもあれと同じなんです。ひとつの母集団の波形や行動などを定期的に追いかけ、その変化を観察・分析していくことが重要になるんですね。

 

―― なるほど。それにしても、木原先生のところだけで1400万人もの体験データがあるということは驚きです。それに基づくと、今の日本人の「平均的な性格」はどういうものになるのでしょうか

そうですね……。ひとことで言えば「色んな気持ちをセーブして、気持ちは爆発寸前だけど、冷静を装って劇を傍観してる人」でしょうか。もう少し付け足すと、自信を喪失していて他人に依存する傾向が強く、ストレスも溜め込んでいます。つまり、ちょっとマズい性格なんですよ。

 

▲今の日本人の性格。論理性(A)が低く、協調性(AC)が高い。*出典:ディグラム診断

 

昔は、「いわゆる日本人といえば」で多くの人が想像するような「空気を読みまくる保守的な性格」だったのですが、ここ1年くらいで日本人の平均的な性格は変わってしまいました。

 

―― どうして変わってしまったのでしょうか

ひとつは、社会ムードの変化による影響だと考えられます。2016年はいわゆる「文春砲」が世間を騒がせ続けましたが、そういったものの影響って実は大きいんですね。2016年〜2017年にかけて「不倫」という文字を日常的に目にしていましたが、そのような本来ショッキングな言葉がいつも溢れているという状況は決して良いものではないと考えています。

また、当然ながら政治や社会情勢の不安、そして医療系キュレーションサイトの記事の信憑性問題に代表されるような「ネット情報の衆愚化」も大いに影響していると考えられます。

 

―― 日常的に触れている情報に影響され、性格も変わっていくのですね

そうですね。今の日本人をデータで見ていると、本当に思考回路の停止具合がハンパないんですよ。社会情勢が不安定で、いろいろなことが何がなんだかよくわからなくなってしまった結果、自分では賛成も反対もしなくなってしまいました。誰かに意思を委ねたり、流れに身を任せたりする傾向が非常に強くなっているんですよ。

占いはもちろん、診断アプリを使う人が増えていった要因もここにあります。要するに、自分自身のことをよくわかってないという人が増えているんです。

 

意思決定を放棄する人間が増えている。その流れはおそらく止まらない

 

―― ここ1年の日本人の性格の変化の様子は、あまりいい方向のものではなさそうですね

なんというか、意思決定を放棄している人が増えてきたんですよ。

少し前までは、放棄している人はわかりやすかった。例えば、「ニート」と呼ばれる人たちがそうですよね。でも、最近はフルタイムで働いている「一般の人たち」も放棄しはじめたという印象があります。放棄する人たちの社会的ステータスというか、レイヤーが変わってきたと思うんですよね。

 

―― 「意思決定を放棄する」ことについて、もう少し具体的に教えてください

例えばご飯を食べに行ったとき、誰かが「おれ、ハンバーグ定食!」と注文したとします。すると「おれも」「僕も」と、結局みんながハンバーグ定食を注文したという結果になることは、よくありますよね。これは「自分もそれでいいや」くらいの軽い気持ちによるものだと思いますが、意思決定としては放棄していることになります。日本人は協調性が高いので、その傾向は元々高いんです。

 

―― たしかにそうですね。自分が食べたいから選んだ、というわけではありません

もちろん、ランチをハンバーグ定食にするかどうか程度の決定だったら全然いいんです。でも現代の日本人は、これと同じようなノリで「生き方」や「考え方」についてまで意思決定を放棄しているように思えるんですよ。

僕は恋愛相談をされることが多いんですけど、「木原さんが言うなら結婚します」みたいな人が確実に増えてきていますね。つまり、人生の一大イベントである結婚ですら、本来関係のない他者の判断に委ねてしまっているんです。私個人としては大変嬉しいんですが、最後の意思決定は本人がバシッと決めて欲しいという気持ちがあります。

 

―― 今後その流れはさらに強まるのでしょうか

ビッグデータやAI(人工知能)、そしてスマートフォンなどデバイスの進化によって、ますます加速していくと思われます。

いずれ「コーヒーと紅茶、どちらにしますか?」と聞かれたとき、「コーヒーが飲みたい気がするけど、紅茶のほうがいいって診断アプリが言ってるから、紅茶で」と答えてしまうようになるのではないでしょうか。

 

 

ただ、それが全て駄目だというわけではないんです。たとえば◯◯に行きたいという「目的」に対し、最短距離で行くための「道具」として診断アプリやAIを使う、というのは正しいことだと思います。でも、今のままだと道具が目的になってしまう可能性があるので、そこはちょっと危ないかなと。

 

―― つまり意思の問題だ、と

最近「2020年にひとつの転換期を迎える」と巷でよく言われているように、世の中全体が2020年を目指して動いている感じがあるじゃないですか。でも、2020年を過ぎてもたぶん何も変わらないと思うんですよ。

いや、実際には変わっているのだけど、変わったという認識が持てないというか。そういう意思決定を放棄している人たちの数は、現在よりも劇的に増えていると思います。

 

―― 意思決定を放棄する人間が続出……。なんだかSF映画にあるような怖い世界ですね

常に意思決定をし続けるということは、常に自分が何者なのかを問い続けるということでもあるので、それはそれで苦しいことなんです。「意思決定を放棄することは全て悪だ」みたいな風潮もありますが、ランチで友達が選んだメニューに流されることぐらい、別に悪いことではないですよね。

だから、意思決定をしないならしない、するならする、それ自体はある程度までならどちらでもかまいません。重要なのは「自分の意思」というものがどれぐらいあるかを理解したうえで、その決定をしましょうということなんですよ。

 

診断アプリの精度は70%〜75%ぐらいがちょうどいいと思う

 

―― 診断アプリは今後どのようなものが増えていくと思いますか

今の「あなたの性格がわかります」的な大きなくくりから、どんどん細分化していくでしょうね。たとえば「子育てに困っている方」「異文化コミュニケーションがしたい方」「身体や病気」「ストレス」など、テーマごとに診断していくアプリが増えていくと思います。

実際に僕の会社でも、いろいろな企業と特定のテーマに基づく診断アプリを制作しています。最近ではユーキャンさんやレアジョブさんといった教育系の企業と、「自分が何を勉強すればいいのか」や「勉強の仕方」などについて、各自の性格に応じてアドバイスしてくれるという診断アプリを制作しました。

 

▲レアジョブの英語勉強法に関するアドバイス例 *出典:“あなたの今”から見えてくる未来のグローバル活躍度診断

 

例えば、楽天的なタイプはコツコツやるよりすぐ実践の場に放り込まれたほうが伸びる、頑固なタイプは賑やかなカフェよりも静かな図書館でコツコツやったほうが伸びる、という統計に基づくデータが実際にあるんです。

これは良いとか悪いとかではなく、性格による特性の問題です。だからこそ、診断によって最適と思われる勉強法を提案するという流れをつくることが、本人にとっての一番良い結果につながりやすくなるのです。

 

―― たしかに今後このような取り組みは増えていきそうですね。ところで診断アプリの信用性というのは、どの程度と考えるべきなのでしょうか

ディグラム診断に限った話になりますが、70%〜75%ぐらいではないでしょうか。

 

―― え!? 意外というか、そこまで高いというわけではないんですね

実は、わざと精度を下げてるんです。だって仮に100%に近いものになってしまうと、意思決定を放棄してアプリに頼りきるという人が、絶対に出てきてしまいますよね。「ここはあってるけど、ここはあってない」ぐらいのアプリのほうが、結果に対してのツッコミの余白のようなものも含め、健全だと思っています。

 

―― なるほど。では最後に、私たちは今後そういうアプリとどのように向き合うべきだと思いますか

山を登るとき、地図無しで登るのと地図有りで登るのとでは、地図が有ったほうが心に余裕が持てますよね。そういう「参考程度」に捉えるのが、結局は一番いいと思いますよ。

 

―― 本日はありがとうございました

 

まとめ

統計学や心理学などをベースにした科学的な根拠に基づく木原先生の分析は、いかがでしたでしょうか。「日本人の性格が、ここ1年であまり良くない方向へ変わっている」という指摘や「意思決定の放棄の加速」という分析を伺って、私たちも日頃の自身の行動などをもっと注意深く捉えないといけないなと思いました。

 

今後ますます進化する診断アプリなどの「手助け」を受けながらも、自分自身による意思決定は大切にしていきたいですよね。それでは!

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