小池都政が大混乱?築地市場の”汚染状況発覚”で都議会選挙の混迷に拍車

2017/5/27 15:05 デイリーニュースオンライン

築地市場の”汚染状況発覚”で都議会選挙の混迷に拍車|やまもといちろうコラム(写真はイメージです) 築地市場の”汚染状況発覚”で都議会選挙の混迷に拍車|やまもといちろうコラム(写真はイメージです)

 山本一郎(やまもといちろう)です。5月25日、ちょっとショッキングな報道が上がりまして、大変に混乱しています。築地市場の土壌調査の結果、環境基準を上回る有害物質が検出されたという件です。

※築地市場の土壌から基準上回る5種類の有害物質 | NHKニュース

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170525/k10010994651000.html

それによりますと、30か所から環境基準などを上回る5種類の有害物質が検出されたということです。 このうち鉛は4か所で最大で基準値の4.3倍、六価クロムは6か所で最大1.4倍、ヒ素は20か所で最大2.8倍、水銀は1か所で1.8倍、フッ素は3か所で最大1.5倍が検出されました。

 ここで問題になるのは、豊洲市場への移転問題に絡んで、豊洲の汚染が問題視されたわけですけれども、これはあくまで飲料水として使えるかどうかの基準で地下をボーリング調査した結果、飲み水としては適さないと判断される数値が出たこととの対比です。地下水を飲まず、コンクリートで遮蔽されている豊洲市場と、開放型の市場で地べたに魚を置いて商売をしている築地市場の地表に土壌汚染があるとされる築地市場とでは、問題の性質は異なります。もちろん、豊洲が問題だとするならば、圧倒的に築地のほうが危ないということになります。

 これからボーリング調査に話が進むようなのですが、実際のところボーリング調査をする前段階ですでにこの結果ということは、環境汚染に関しては市場問題対策プロジェクトチームが報告している内容からすると「安全なのは築地か豊洲か」ではなく、「もはや築地で生鮮っ食料品市場を操業してはいけない」という話になります。発表されている文書を見る限り、表層にこれらの汚染物質が確認されたということは、人の口に汚染物質が入る可能性が否定できないということでもあるからです。

■都議会選挙の大混乱は必至か?

 その豊洲市場への移転問題を巡っては、小池百合子都知事(64)が率いる「都民ファーストの会」は都議会選挙において争点にしないという方針を打ち出し、物議を醸しております。それまでなぜか小池女史に寄り添うように展開してきた共産党や、選挙協力体制を図ってきた公明党も、豊洲移転問題に関しては徐々にスタンスを小池女史と分けつつあるのが現状です。

 かねてから指摘されてきた通り、築地市場は老朽化が激しく危険であるだけでなく、今回予想通り汚染が広がっていることが分かった以上、本来であれば労働環境を改善するためにも最新鋭の豊洲市場への移転を求めるのが本来の労働組合じゃないのかと思います。

 一方で、築地での営業にこだわる仲卸業者の過半が債務超過状態であることはかねてから分かっている話ですから、これ以上都税を無駄にしないためにも経営不振の仲卸業者には都税による補償ではなく廃業を求め、産業の集積化と市場の近代化を図るべき時期に差し掛かっているのでしょう。

 そういう議論はもう半年以上前から行われてきたわりに、いまなお小池女史がこのネタを引っ張る理由は、やはり決断がむつかしいからに尽きるでしょう。本来はどちらかと言えば右派的な言動が多かった小池女史が、都知事に就任し豊洲問題を取り扱うようになってから従来の支持層だけでなく、左派、共産党も小池女史にぶら下がるという、いわば小さな翼賛体制となって、自民党との対決姿勢を鮮明にすることで政治改革の旗手としての期待を集めるという作戦に出て成功してきました。

 しかしながら、都民向けの意識調査でも年が明けてからぐっと豊洲移転賛成にシフトする状況下で、いまなお豊洲問題に関する態度を保留にして都税が無駄遣いされてしまう現状が知られ始めると、やはり小池都政のイメージだけでなく結果部分で評価が下されるところはあるかもしれません。

 ここにきて、都民ファーストの会自体も、民進党所属都議や組織の合流だけでなく、使われる都民ファーストの会の予算がおかしいのではないか、立候補予定者の選挙資金の一部となるべき公認料も払われていないのはおかしいのではないかという議論が出始めてきています。

 いろいろとボタンの掛け違いが表面化していく中で、向こう40日ほどで実施される都議会選挙がどのような結果になっていくのか、興味深く見ていきたいと思っています。

文・やまもといちろう

※慶應義塾大学卒業。会社経営の傍ら、作家、ブロガーとしても活躍。著書に『ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」』(宝島社新書)など多数。

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