料理なんてレシピさえあれば作れるんじゃないの?と考えたマジの料理童貞が突然ハンバーグを作った

2017/5/26 19:01 ネタりかコンテンツ部

熊谷と申します。実家を離れて10年が経ったアラウンドサーティーの男性なのですが、振り返ればこれまでの人生で一度も料理をしたことがありません。

 

「一度も」というのは比喩でも大袈裟でも何でも無く、まさに文字通り「一度たりとも」自炊の経験がないということであり、シンプルにこれまでの人生において料理をした回数が「ゼロ」であるということです。

 

家の冷蔵庫の中身は常に以下のような状態であり、逆になぜ冷蔵庫を買ったのかが全くの不明。

 

 

挙げ句の果てには、あまりにも料理を作った経験がないので料理の苦労やそれに必要な能力が正直まったくイメージできておらず、「別に料理なんてレシピさえあれば誰でも作れるんじゃないの?」とすら内心思っています。つまり料理を侮っているのです。作ったこともないのに。

 

さて、そんな舐め腐った態度をとっている傲慢な人間「自分」は、本当にレシピさえあれば料理を、具体的に言うと「肉汁たっぷりのハンバーグ 〜デミグラスソースと共に〜」を作ることができるんでしょうか。

 

 

というわけで、料理の経験が全くなくてもレシピさえ見れば料理を作ることができるのかを検証する為、突然ですが人生で初めて料理をしてみることにしました。

 

自分の人生において最も縁のないアプリだと思っていた「クックパッド」をダウンロードし、いざ「肉汁たっぷりのハンバーグ 〜デミグラスソースと共に〜」の作成を開始します。ちなみにこの記事はクックパッドのPR記事ではありません。

今回参考にしたレシピ:☆初心者もプロ級☆肉汁たっぷりハンバーグ

 

 

19:30

 

クックパッドで「ハンバーグ デミグラスソース」と検索し、ヒットしたレシピに書いてある材料をチェックします。すでに腹が減っています。

 

人生で初めてハンバーグのレシピを開き、人生で初めてハンバーグの材料を見た私は、とんでもないことに気付きました。

 

 

「材料、多くね?」

 

これは普段から料理をしている主婦の皆さんにとっては見慣れた材料名なのかもしれませんが、料理童貞の私は正直、目を疑いました。

 

「ハンバーグって、こんなに複雑な構成してたの? 普通に怖い。」

 

これが、生まれて初めてハンバーグのレシピを見た男性の、率直な感想です。正直、材料は「肉・玉ねぎ・デミグラスソース」と書いてあると思っていたので。

 

ハンバーグという物体の余りにも多岐に渡る複雑な構成要素に衝撃を覚えながら、近所のスーパーその名も「マルエツ」に買い出しに。

 

20:20

 

レシピに載っている通りに買い出しを終えました。

 

自炊用の買い物が人生で初めてだったこともあり、スーパーの店員に「ゼラチンって何ですか?」「コンソメキューブって誰ですか?」と頓珍漢な質問を繰り返してしまい、必要以上に時間がかかってしまいました。

 

さて、レシピ通りに材料を買い集めたところ、合計で「4,748円」。ここで聡明な私は、とんでもないことに気付きました。

 

 

「ハンバーグ、高くね?」

 

 

これは私の買い物が下手だったのか、スーパーに対しての交渉が甘かったのか、理由は何かわかりませんがいくらなんでもハンバーグが高いです。「4,748円」。

 

これはランチタイムであればそれなりに高級なフレンチが食べられる価格帯です。高級なフレンチか、自家製のハンバーグか。

 

っていうか、小麦粉はこのハンバーグにおいて「20g」しか使わないって書いてあるのに、なんでスーパーに売ってる小麦粉の最小単位が「800g」なのでしょうか。

 

一人分のハンバーグに必要な小麦粉が20gなので、小麦粉800gというのはハンバーグ換算で言うと40人分。スーパー側は、「ハンバーグを作るなら最低でも40人前からになります」という謎の圧力をかけてきていると、そういうことなのでしょうか?

 

というか小麦粉だけではありません。パン粉も1カップしか使わないのに「300g」を購入し、サラダ油にいたっては「1L」を購入。自分はサラダ油をアクエリアスの如く一気飲みでもするつもりなのでしょうか?

 

いずれにしても調理を始めます。

 

 

20:25

 

さて、早速自慢の食材を並べて料理スタート。まずは、順序1、「玉ねぎをみじん切りにし、フライパンにサラダ油大さじ1を入れて、少し色づくほどに炒めて器に移し冷ます。」から。

 

先ほど購入した玉ねぎをドヤ顔で取り出し、そしてキッチンの前に仁王立ちした聡明な私は、とんでもないことに気付きました。

 

 

 

 

「包丁、なくね?」

 

 

 

当然ですが私は料理をしないので、家に包丁はありません。それを完全に忘れていました。何となく、「包丁くらいは自分の家にもあるだろう」とどこかでタカを括っていました。

 

しかし、よくよく考えれば料理をしないのに家に包丁があるワケがないのです。料理をしないのに包丁を持っている人、それは殺人鬼です。

 

それどころか、先々のレシピを読み進めると、必要になってくるであろう器材の内、「コップ」を除くほぼ全ての物がないことに気付きました。まずフライパンがありませんし、ボールがありません。まな板もないし、計量カップもありません。皿もお椀もありません。

 

家に何もないことに衝撃を覚えながら、近所のキッチン用品専門店その名も「ドン・キホーテ」へ買い出しに。

 

 

21:05

 

ようやく買い物を終えました。

 

キッチン用品の買い物が人生で初めてだったこともあり、ドン・キホーテンの店員に対して「玉ねぎ用の包丁ってありますか?」「ハンバーグ用のフライパンってありますか?」と頓珍漢な質問を繰り返してしまい、必要以上に時間がかかってしまいました。

 

さて、レシピ内でハンバーグを作るにあたって必要とされている用品を一式買い集めたところ、合計で9,511円。ここで聡明な私は、とんでもないことに気付きました。

 

 

 

 

「ハンバーグ、高くねっっっtっっっw?!?!?!?!?!?」

 

 

いや、これは私の買い物が下手だったのか、ドン・キホーテに対しての交渉が甘かったのか、ドン・キホーテが高級思考の製品を取り揃えるセレクトショップだったのか、理由は全くわかりませんがいくらなんでもハンバーグが異常に高いです。食材と合わせて実に「14,259円」。

 

実に1.5万円。これは、一般的な「掃除機」が買える値段です。自家製のハンバーグか、掃除機か。ハンバーグというのは、一体何なんでしょうか。ハンバーグという概念そのものが、恐ろしくなってきました。

 

いずれにしても調理を始めます。

 

 

21:10

 

準備に手間取りすぎて、一体いつになったらハンバーグの作成が始まるのかと怯えていましたが、これでようやくハンバーグ作成に着手できます。まずは玉ねぎを切って炒めるところから。

 

人生で初めて買った「玉ねぎ」を、人生で初めて「みじん切り」にします。

 

 

そして人生で初めて「みじん切り」にした玉ねぎを、人生で初めて「炒め」ます。

 

 

 

ちなみに一応国立大学を出たのですが、今のところ焼く・炒める・蒸す・煮る・揚げるの区別はついていません。全体的に、「火で温めること」だと思っています。

 

次に、炒めた玉ねぎと、ひき肉、卵、パン粉、牛乳、酒、砂糖、塩、醤油、しょうが、ゼラチン、胡椒をボールにいれます。

 

 

恐らくこれは、「自分のこれまでの人生の中で最も多くの物体を一つの入れ物に入れた瞬間」だったと思います。そう思うと感動的です。

 

そしてこれを手でコネまくって混ぜます。

 

 

そしてこれは恐らく「自分の人生で最も“それが何なのか”を自分自身が理解していない物体をコネている瞬間」だったと思います。手がヌルヌルして気持ち悪かったです。

 

そしてこれを、ハンバーグ程度のサイズに分けてお皿に乗せ、少しの間冷やします。

 

 

22:15

 

冷蔵庫から、冷やした肉の塊を取り出します。冷蔵庫に入れる前よりも固まっています。

 

 

この辺りでようやく「この物体は近い将来、ハンバーグになるだろう」という見通しがたってきました。

 

それまではレシピ通りに作りながらも、どこか「自分がハンバーグに向かって進んでいるのだ」という自信や実感が持てないでいたのです。しかしハンバーグサイズの肉塊を見て、これまでの自分の歩みが間違っていないことを確信。

 

料理とはすなわち、孤独の旅なのだ。そう感じました。次にハンバーグサイズに分けた肉塊に小麦粉をつけ、フライパンで焼きます。

 

 

小麦粉をつけてフライパンへ、と書いてあったのでそのまま実行したのですが、この時に脳内に沸き上がった率直な疑問は、「なんで小麦粉つけたの?」です。そしてその答えは結局、最期までわからずじまいでした。

 

料理をしていると、様々な疑問が湧いてきます。「どこまで細かく切れば “みじん切り” に認定して貰えるの?」「え、この微量の砂糖って意味ある?」「結局最期まとめて手でコネるんだったら、卵、溶かなくて良くない?」

 

そういった質問の全てを自分の中で押し殺し、そして料理は進んでいきます。料理とはすなわち疑問を信念でネジ伏せる活動なのだ。そう感じました。ここで両面を焼いてから、蒸します。

 

 

家中に料理をしている家でしか嗅げない匂いが立ち込めています。「俺、料理してるんじゃね?」と思うと、自然とドヤ顔になっている自分がいました。薄暗い部屋で一人グフグフと笑みをこぼす男性。そうとう気持ち悪かったと思います。

 

ああ、なるほど。これは料理したらドヤ顔にもなるし友達に写真送りたくもなるしインスタグラムにアップしたくもなるわ。今まで女子は何をやっているのかサッパリ意味がわからなかったけど、ようやく理解できた。

 

料理とは即ち自己の表現であり人間性の裏打ちであり存在の証明でありアイデンティティの確立なのだ。そう感じました。それから15分ほど蒸して完成です。

 

 

「おお」と一人で声をあげました。感動的です。我が子を授かったかのような感覚になりました。

 

料理とは、つまり息子そのものなのだ。そう感じました。最期に、フライパンに残った肉汁に中濃ソース、酒、ケチャップ、コンソメ、水を入れてから沸騰させ、デミグラスソースを作ります。

 

あれ? さっきからちょいちょい色んなところに「酒」を入れてるけど、このハンバーグ、食ったらベロベロに酔っ払うんじゃないか?

 

 

そんな疑問を他所にデミグラスソースができあがりました。これをハンバーグにかけます。さあ。

 

「肉汁たっぷりのハンバーグ 〜デミグラスソースと共に〜」改め、

 

「かつて地球上に存在したと言われる巨大生物の糞 〜漆黒の何かと共に〜」の完成です。

 

 

 

22:45

 

料理を開始してから、飯にありつけるまで3時間以上がかかりました。ハッキリ言いますが、料理は死ぬほど大変です。

 

一時はどうなることかと思いましたが、こうしてようやく料理を完成させることができると、何かを成し遂げたような言いようのない達成感に包まれます。

 

そして何といっても、腹が減り過ぎて呼吸もままならい状態です。「達成感」と「飢餓」。こんな独特なコラボレーションは人生で一度も体験したことがありません。

 

机の上に自分が人生で初めてつくった料理を乗せ、そして聡明な私は、とんでもないことに気付きました。

 

 

 

「箸、なくね?」

 

 

 

 

 

〜終〜

 

 

 

 

P.S. 初めて料理をして気付いたこと、纏め

 

・  ハンバーグを作成する為には、14,259円にも及ぶ巨万の富を要する。内訳はハンバーグの材料が4,748円、キッチン用品が9,511円。

 

・  ハンバーグは、着想から完成に至るまで、もろもろの手続きを含めると3時間以上という長い年月を要する。

 

・  フライパンには、「ハンバーグ用」もクソもない。フライパンはフライパンであり、常にフライパンである。

 

・ 料理をしないのに包丁を持っている人、それは殺人鬼である。

 

・ 料理とは孤独の旅であり、信念で疑問をねじ伏せることであり、自己の表現であり人間性の裏打ちであり存在の証明でありアイデンティティの確立であり、そして息子である。

 

・  ハンバーグを作る場合、レシピに載っている写真よりも実物は黒くなる傾向にある。

 

・  料理が完成した時の達成感は、尋常ではない。達成感の程度としては富士山に登った時のそれに近い。自分が作った料理の写真を撮ってしまうのもわかるし、インスタに載せるのもわかる。ちなみに自分は、合計で70枚近くの写真を撮った。

 

・  ちなみに富士山には一度も登ったことがない。

 

・  ハンバーグの味は、思っていたほど悪くはない。普通に「ハンバーグの味」がして美味しかった。恐らく自分が作ったことによるバイアスが働いている。正直、相当マズいものを想定していたので、ややリアクションに困った。

 

・ 料理をすると、尋常ではないほどの疲労が残る。そこに、皿洗いが待っている。「踏んだり蹴ったり」とはこのことである。「泣きっ面に蜂」も同様の意味である。これらを「同義語」と呼ぶ。

 

・ なお、作るのに要した時間は3時間。そして食べるのは5分。3時間も待ってからたったの5分だけ楽しむそれはまるでディズニーランドのアトラクションである。

 

・ だから何だ

 

・  総じて、料理を侮ってはいけない。こんなに壮絶な活動を毎日している人がいると思うと、心の底から畏敬の念を禁じ得ない。

 

・  つまり誰がスゴいのかと言うと、母親だ。母親である。

 

・  料理を一度すると、冗談抜きに、母親への尋常ではないほどの感謝が生まれる。かつての自分が何の気なしに食べていた、夜ご飯の、ハンバーグ。

 

・ 作るの、実は大変だったんだろうなぁ……

 

 

 

 

ライター:熊谷真士

ブログ:もはや日記とかそういう次元ではない

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