横浜駅は1915年からずっと工事をしているって本当? 横浜の歴史に詳しい人へ聞く

2017/3/10 19:01 ネタりかコンテンツ部

西口工事 西口工事

スペイン・バルセロナにある「サグラダ・ファミリア」。ガウディの未完作品としても知られるこちらの建築物は、1882年の着工以来100年以上経った現在も建設中のままです。

そして最近、ネット上で“サグラダ・ファミリアに匹敵する”と話題になっているのが「横浜駅」。

「実質的な開業年である1915年以来ずっと工事が続いている」というネットの情報が事実だとすれば、こちらも着工後100年以上ということになります。

 


▲1882年から100年以上工事が続くサグラダ・ファミリア

 

そこで、横浜都市発展記念館を訪ね、横浜の鉄道の歴史に詳しいという調査研究員の岡田直さんに話を聞いてみました。

 

現在の横浜駅は1915年に開業。工事開始はそこから。

── 「1915年から100年以上工事が続いている」といわれることが多いようですが……。

横浜駅は過去に3回、場所が変わっています。

初代横浜駅は、1872(明治5)年に桜木町に開業しました。その後、1915(大正4)年に高島町に移転、2代目横浜駅が開業しましたが、1923年(大正12)年の関東大震災で駅舎が焼失してしまったのです。そこで1928(昭和3)年に現在の場所に3代目横浜駅が開業しました。最初の横浜駅は今の「桜木町駅」になっているので、「横浜駅開業○周年」というときは、2代目になった1915(大正4)年から数えます。もう100年を過ぎています。

 

── その間、ずっと工事が続いているというのは本当でしょうか?

昭和初期の3代目横浜駅の開業に、今の東急や京急、相鉄などの私鉄の開通ラッシュが重なったんです。移転して新しくできる横浜駅は、乗り入れにちょうど良かったんでしょうね。

乗り入れ工事が完了後しばらくは大きな工事はなかったと思いますが、戦争が終わって昭和の高度成長期から平成にかけ、戦災からの復興や人口増加に対応した改良・拡張やら適宜、工事は行われています。ただ、狭い敷地にいくつもの鉄道事業者が集まっているため、いつもどこかで何らかの改良工事をやっているという印象が強くなったのではないでしょうか。

ただ、新宿駅や渋谷駅もずっと工事しているのに、どうして横浜駅だけが注目されるのでしょうね。集中の度合いでいえば、新宿駅や渋谷駅のほうが注目されてもおかしくないんですけどね。

 

案内板
▲東西南北に出入り口が点在しています

 

駅は地下3階まで
▲駅は地下3階まであります

 

高度成長期に建てられたビルが老朽化。建て替えの時期に

── 駅の周辺も工事が続いているように感じます。

高度成長期の1950年代後半に、相鉄が西口の開発に着手して高島屋を誘致するなど、一大商業エリアとなります。

80年代には東西自由通路ができ、東口の開発も進みました。百貨店のそごうができたのもこの頃ですね。

そして「みなとみらい21」の建設事業が始まり、90年代には交通機関としての「みなとみらい線」の工事が開始されます。既存の横浜駅の真地下深くに新しくホームを作るため、駅の下を空洞化するという大工事だったようです。2004年にみなとみらい線は開通しましたが、「みなとみらい21」地区でのいろいろな工事はまだ続いています。

 

東口案内板
▲みなとみらい地区の開発は継続中

 

── 西口側では、あちこちでビルが建て替えられています。

西口周辺が開発された高度成長期から半世紀以上が経っており、当時建設されたビルが建て替えの時期を迎えているんです。横浜駅周辺に限らず、渋谷や新宿でも、同時期に建てられたビルは次々と建て替えられています。高速道路もそうですね。

 

西口の工事の様子
▲構内には西口の工事の写真が掲示されていました

 

西口工事
▲着々と工事は進行中です

 

── 横浜駅だけが極端に長く工事をしているわけではないのですね。

私はそう思います。渋谷や新宿以外でも、東京駅も上野駅も品川駅も工事をしていますしね。ただ、東京ではあちこちでやっているから、それほど注目されないのかもしれません。東京23区を除いて首都圏で最も大きな拠点となると、横浜駅周辺でしょうから、それで注目が集まってしまうのかもしれませんね。あるいは、大正時代から昭和初期に移転工事を繰り返したことが印象的なのでしょうか。

 

── ありがとうございました。

 

まとめ

・横浜駅は1915年の開業以来、適宜、さまざまな工事が行われている。

・一つの工事が続いているわけではないが、6つの鉄道事業者が集まって随時工事をしているため、いつもどこかが工事をしているという印象が強くなった。

・駅の周辺では、高度成長期の頃に建てられた西口側のビル群が老朽化。建て替えのための工事が始まっており、これが「常に工事をしている」という印象をさらに強くしているかもしれない。

・新宿や渋谷など、他のエリアでも長く工事が続いているが、横浜駅だけが注目されるのは周辺エリアに同レベルでの大きな駅がないから。

 

サグラダ・ファミリアは、2026年に完成するといわれていますが、横浜駅周辺はどうなるのでしょうか。駅や街は使っていれば必ず修理や立て替えは必要になるので、そういう意味では終わりなき工事ということになるのかもしれませんね。

 

(取材・文/たなかみえ)

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