ベトナムのバイクの群れはどこに向かっているの? 現地のライダーに聞いてみた

2017/1/19 19:01 ネタりかコンテンツ部

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どうもこんにちは、ベトナム在住ライターのネルソン水嶋です!

 

みなさんはベトナムにどんなイメージを持ってますか?

 

最近では、ベトナム料理のフォーや、ベトナムの民族服のアオザイなどがテレビで取り上げられる機会も増えました。

 

しかし、ベトナムといえば、なんといってもこれじゃないでしょうか?

 

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とんでもない数のバイク!

 

ベトナムでは、移動するときも物を運ぶときもすべてバイク。ときには一家全員、1台に5人も乗っている光景が見られます。

 

それもそのはず、アメリカの研究機関「ピュー研究所」の2014年の調査内容をみると、実に86%もの世帯でバイクを所有しており、反対に車の所有率はたったの2%! ベトナムの社会も経済もバイクが回しているのです。

 

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4人乗りしてる人たちもいれば……、

 

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ドアを運んでいる人も!

 

日本人の目から見ると、ちょっと独特なベトナムのバイク乗りのみなさん。いったい彼らは、どこに向かっているのでしょうか?

 

というわけで、実際に調べてみたいと思います。

 

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さすがに走りながらだと危ないので、長い信号待ちを狙って聞いてみましょう。

 

 

家族サービスで遊園地へ!

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大人2人、子ども2人、4人乗りの家族に質問!

 

私「こんにちは~」

男性「おっ、なんだいなんだい!」

私「日本のWebメディアの取材で……ちょっと聞いてもいいですか?」

男性「おぉ!? いいよ」

私「今、どこに向かっているんですか?」

男性「遊園地だよ! 週末だからね、家族サービスだ!」

私「あ~、なるほど! 楽しんでくださいね!」

 

この日は週末の金曜日。ベトナムの南部は1年を通して日中に暑い日が多く、外出は日が暮れはじめる夕方以降に増える傾向があります。仕事上がりということもあるけど、こうして遊びに出かける家族も多いんだろうなぁ。

 

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さらに増えはじめるバイクたち。写真を見ての通り、混雑時には歩道も道路化します。

 

これは、そういう法律があるわけでもなんでもなく、素直に道路を走っているとより渋滞が悪化するだけなので、警察も取り締まらずに結果として暗黙の了解になってしまっているのです。

 

 

友達の送り迎え!

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こちらの女の子に質問。

 

私「どこに向かっているんですか?」

女性「向かっているというか、友達を送ったあと!

私「へぇ、友達はバイクに乗ってないの?」

女性「乗るけど、このバイクを友達と共有してるから」

私「バイクを共有?」

女性「部屋をシェアしてるから、バイクもシェアしてるの。だから友達を送ったり、私が送られたり」

私「あぁ、なるほど。よく分かりました、ありがとう!」

 

聞けるだけの時間が取れなかったけど、彼女はきっと学生だろう。

 

ベトナムは、アルバイトの時給が日本円で100円を超えないことも多い割に、部屋の家賃は学生向けでも5000円~10000円と高めの相場になっている。それもあって、とくに地方から出てきている学生は部屋(家賃)のシェアが基本。バイクのシェアがあっても不思議じゃない。

 

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空がうっすらと暗くなり、ますますバイクがひしめき合うようになってきた。

 

 

ぶらぶらとドライブデート!

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男女のカップルに質問!

 

私「どこに向かっているんですか?」

男性「向かってるというか……デートかな」

私「ドライブ?」

男性「そんなところ」

女性「強いて言えば、公園に向かってます」

私「公園で何するの?」

女性「ミルクティー飲んだり……おしゃべりしたり!」

私「なるほどなるほど、ありがとう~!」

 

ここではじめての、目的地なし! 実はこれ、取材前から予想していた答えでした。

 

というのも、ベトナム人のデートスポットは一般的にドライブ・カフェ・公園が多く、日が暮れて涼しくなった公園でおしゃべりするのが定番。昼間でも大きな木陰ができている場所では若者たちで賑わっている光景がよく見られます。

 

もう夜の入口って感じだな~。

 

 

少年3人組で迷子中!

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ベトナムでは、自転車が道路上でバイクと併走していることが当たり前。というわけで、今回は自転車もバイクとカウントしましょう。

 

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自転車乗りの中学生3人組に質問!

 

私「どこに向かってるの~?」

少年「あっ、逆に道を聞いていいですか?」

私「えっ? うん……」

 

逆に質問されてしまい、道を教える私。

 

少年「助かった~! そこでライブがあるみたいで……今、迷ってたんです」

私「へー、チケット買ったの?」

少年「いいえ!」

私「じゃあ当日券買うんだ」

少年「分かりません!」

私「どういうこと?」

少年「チケットが必要か行って確かめます。高かったら入らないかも!」

私「行き当たりばったりじゃねぇか! 呼び止めてごめんな、遅れんなよ!」

 

場所も詳細も分からないけど行ってみるって、おもしろいな……。

 

自転車に乗った少年を見ていると、自分が小中学生の頃を思い出します。当時流行っていた牛乳キャップ集めで、レア物を探しに隣町まで出かけたな~。

 

 

犬をバイクに乗せて散歩!

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なんと! バイクの足置き場に犬を乗せての散歩!

実は彼女がこの状態で走行しているときに見つけたのですが、止まれる場所ではなかったので目的地まで追いかけました。

 

私「どこに向かってるの? というか……」

 

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私「カフェでしたね」

女性「うん」

 

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女性「うちのワンちゃんが、ここのエッグワッフルが大好きなのよ」

 

ベトナムではよくこうして、バイクの足場に犬を乗せて散歩している光景を見かけます。こちらの女性は小型犬でリードを付けているので比較的安全ですが、バイクの後ろの荷台ですごく器用にバランスを保っている中型犬の姿を見ることも。

 

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たとえばこれ、小型犬への配慮のなさがすごい。

 

 

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これとかもう、人扱いじゃねぇか!

 

 

さきほどの女性は、買い物のあと徒歩で犬と散歩するとのことでした。ベトナムの夜は、人ばかりでなく犬も外出するのですね。

 

 

目的地がなくてもバイクで走る!

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そのほか、バイクでの行き先にはこんな意見がありました。

 

●帰宅中

●走りながらレストランを探している

●カルチャースクールへ向かっている

 

取材ではベトナム人の友人に通訳してもらっていたのですが、その友人に併せて話を聞いてみました。

 

●どこに行くのかは、出かけてから考える人が多い

●昼間は暑いので、目的が「移動」以前に「涼むため」

●エアコンなどの空調設備が家にない、複数人で住んでいる、といった人はとくに出たがる

●路上の屋台も含めて飲食店が多いので、外食に対する経済的・心理的なハードルが低い

●狭い家では家族やルームメイトに聞かれたくない話もあるので、プライベートな時間と空間を確保するために外へ出る

 

とのことでした!

 

 

行き先も分からぬまま、バイクで夜に走り出す。ベトナム人は尾崎豊か……。

 

それにしても、「プライベートな時間と空間を確保するために外へ出る」とは目からウロコ。日本だと、むしろそのための家ですよね。日本での「家でくつろぐ行為」が、ベトナムでは「バイクで走って涼む行為」に当たるのかもしれません。

 

(おわり)

 

ネルソン水嶋+有限会社ノオト

ベトナム在住のライター。現地のマニアックな魅力を伝えるウェブマガジン「べとまる」(外部サイト)で活動中。そのほか、ガイドブックやイベントなども企画。

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