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その場で描きます! キャラデザイン40年史「自分の絵が嫌だから変わっていく」

2009/10/16 22:00
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トップアニメーターがその場で描く、というファン垂涎のシンポジウム。上の画像は井上俊之氏による『MEMORIES』(大友克洋監督/95年)から「彼女の想いで」の主人公のハインツ。

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 アニメ二次利用ビジネスの可能性を主題として10月15日から18日まで開催中の「JAM(ジャパン・アニメコラボ・マーケット)2009」。初日は4人の著名アニメーターが登壇、キャラクターデザインの40年を振り返りながら、即興で絵を描くというシンポジウムを行った。

 壇上に姿を現したのは芦田豊雄氏(スタジオライブ)、只野和子氏(スタジオびゅうん!)、渡辺敦子氏(スタジオライブ)、ゲストに井上俊之氏。主に芦田氏が語り部となり、話が進んだ。3人はスケッチブックに、次々にキャラクターを描いていく。アニメ草創期の『鉄腕アトム』に遡り、歴史を辿るように筆を進める芦田氏はアニメブームの端緒をこう語った。

「『ヤマト』がオタクを作りました。それまでにアニメーションを観る人に、人間という個体が描いている、という認識はなかったと思う。(しかし『ヤマト』は)片一方は虫プロ調、もう一方は『空手バカ一代』というように、異なる絵柄が混在していた」

『美少女戦士セーラームーン』『ケロロ軍曹』で知られる只野氏のキャラクターデザインデビュー作、『超獣機神ダンクーガ』(TBS系列/1985年4月5日〜12月27日放映)に話題が及んだ際は、こうも言った。

「それまでのSFアニメはビニールで出来たような服装ばかりだった。ファッション雑誌を見てキャラクターデザインをしたのは、ダンクーガが最初だったように思う」

 当時としては珍しく「いんどり小屋」というチーム制を掲げ、数人がかりでキャラデザにあたっていたが、これには明確な理由があった。

「名前があるから描いているんじゃない。描いたから有名になったんだろう、という主張です」

 やがて芦田氏は「顔が違うけど、(あの髪型を付けて)強引にミンキーモモだ、と言って描いてしまう」と予防線を張りつつ、代表作のひとつである『魔法のプリンセス ミンキーモモ』のヒロイン、モモを描く。しかし完成したモモを見た新進気鋭の渡辺氏(『戦場のヴァルキュリア』『GA 芸術科アートデザインクラス』『ファイト一発!充電ちゃん!!』)に「こんなんだったかなぁ? 似ていないじゃないですか」とダメ出しをされてしまう。これについての芦田氏の弁明がふるっていた。

「なぜ描けないか。なぜ絵が変わっていくのか。自分の絵が嫌だから変わっていく。昔の自分が描いた絵を許せないんです」

「"作る人"は年齢に関わらず、新しいモードを作っていく。60、70歳になっても、若い連中より過激な人がいる。そういう人たちが原宿やパリで写真を撮ってくるはずがない。既にあるものだから。どこからか情報を取ってくるのでしょう」

 芦田氏も只野氏も、壇上でリアルタイムに絵を描き進め、線の斬新さが衰えるどころか鋭さを増していることを実証していく。シンポジウムの最後には「古井君」「新井君」なるふたりのキャラを並べ、古い絵と新しい絵を意識的に描き分けることすら可能だと言った。

「この新井君もいずれ古くなっていくのでしょう」

 めまぐるしく変わる「新しさ」という波を捉えなければならない「キャラデザイナー」。その秘密を一部開陳する、貴重なシンポジウムとなった。
(取材・文・写真=後藤勝)

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2009/10/16 22:00 更新

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