花粉症は「肩コリ」「首コリ」まで引き起こす!? 呼吸器医師が、春特有の“ダルさ”改善に助言

2017/3/20 21:00 サイゾーウーマン

Photo by mcfarlandmo from Flickr Photo by mcfarlandmo from Flickr

 花粉が本格的に飛散しだした今日この頃、気候よりも先に、咳やくしゃみで春の訪れを感じた人も多いはず。花粉症のピークを迎える春から初夏にかけて起こるつらい諸症状とともに、「季節性アレルギーコリ」を訴える人が後を絶たないという。一見、花粉症とは関連が薄いように感じる「コリ」。しかし、見過ごしてしまうと、花粉症の症状を悪化させたり、全身のダルさを引き起こす可能性もあるようだ。そこで、池袋大谷クリニック院長・大谷義夫先生の「花粉症とコリ」に関する講義を聞きに、ピップ株式会社主催の勉強会に参加した。

■花粉症の発症や悪化を防ぐポイント
 2月に入ると症状が出始め、3~5月にかけてピークを迎えるというスギ・ヒノキの花粉症。発症者数は国民病ともいわれるほど多く、日本人の3人に1人がかかっているのだとか。また、まだ発症はしていないながら花粉の抗体を持っている花粉症予備軍も多く、「花粉症を発症するか否かは、そのときの花粉の飛散量と免疫が関係しているため、バケツ理論(花粉に曝露し続け、ある一定量を超えると発症する)だけでは説明がつきません」と、大谷先生は語る。これから本格的に春を迎えるにあたって、「すでに花粉症の人は悪化させないよう、まだの人は発症しないように、日常生活で心がけるポイントがある」そうだ。

 人間の体は、吸い込んだウイルスやばい菌、アレルゲンなどを、鼻毛、扁桃腺、線毛(粘膜に生えている毛のような突起)の3段階でキャッチして体外へ排出しているが、乾燥すると喉の線毛の働きも悪くなって、ウイルスやアレルゲンが侵入しやすくなる。そのため、空気の乾燥しやすい冬から春は、アレルギー症状が起こりやすい季節なのだそう。「乾燥すると線毛の働きが低下してしまうので、湿度が低いときは加湿器などで50%以上を保つことが大切」なんだとか。

 ただ、この時期は、「激しい寒暖差によって引き起こされる寒暖差アレルギー、中国大陸から偏西風に乗って入ってくる黄砂やPM2.5による呼吸器系や循環器系の疾患なども起こりやすいため、花粉症に似た症状でも区別しなければなりません」という。

■周囲への気遣いが症状を悪化させている!?
 花粉症の主な症状として、アレルギー学会の一部の報告では、鼻水や鼻づまり、目のかゆみは、100%近くの人が実感しているという。そのうち、「咳などの気管支系の症状も伴う人は約40%なのに対し、倦怠感や頭痛など、全身症状を訴える人は80%近くに上る」そうだ。

 大谷先生の患者である20代の学生は、授業中に咳やくしゃみが出るたび周囲へ気を使ってしまい、自然と姿勢が前のめりになって、背中や腰にコリを感じているという。また、30代のビジネスマンは、花粉症の症状によって呼吸がしづらくなり、眠りが浅くなった結果、体が疲れ、肩や背中にコリを感じるように。ほかにも、くしゃみを連発することで腹筋や全身が痛くなったり、公共の場で咳やくしゃみを抑えようと力を入れることで、全身に痛みやコリを訴えたりする患者が多いという。

 そこで、大谷先生がピップ株式会社との共同研究として、アレルギー症状とコリに関する意識調査をインターネットで実施。その結果、約8割の人が「咳やくしゃみをする際に体を縮こまらせるため、力が入ってしまう」と回答した。うち7割が、「体を縮こまらせるのは、周囲に迷惑をかけないため」と回答していることから、「インフルエンザを念頭に、ここ数年で咳エチケットという概念が広まり、飛沫を飛ばさないため必然的に体を縮こまらせていることがうかがえる」と、大谷先生。

 さらに、「アレルギー症状が原因でコリの経験があるか」も調査したところ、「ある」と回答したのは4割ほど。中には、激しい咳やくしゃみで体に痛みやコリを覚え、「骨が折れた」「肺炎になった」と勘違いする人もいるそうだ。また、コリを感じている人の4割が、「息苦しい」とも感じているという。

■花粉症で生じるコリのメカニズム
 では、なぜ咳やくしゃみでコリや息苦しさなどの症状が生じるのか? 大谷先生が解説したメカニズムによると、「咳やくしゃみをするとき前傾姿勢になると、肺が圧迫され、呼吸が浅くなって、酸素の取り込み量が少なくなる。それにより、酸素と二酸化炭素の交換が悪くなったり、血行不良を起こしたりと、軽い酸欠のような状態になってしまう」とのこと。また、酸素が足りないと、エネルギーとなるブドウ糖を分解しにくくなって疲れやすくなるため、結果的に、「疲労感や息苦しさ、コリを全身に感じるように」。なお、咳やくしゃみを1回するごとに2キロカロリーほどを消費するというデータもあり、余計に疲れてしまう人もいるようだ。

 なお、大谷先生がピップ株式会社と行った共同研究によると、正しい姿勢と猫背の状態における肺活量の検査では、33歳の被験者が正しい姿勢では肺年齢・18歳だったのに対し、猫背では41歳という結果に。姿勢によって肺が圧迫されただけで、肺年齢に23歳差が生まれたことになる。それにより、「人間は1分間に15回、1日にすると約2万回の呼吸をしているので、呼吸が浅くなるか深くなるかの違いで、1日の酸素摂取量や、酸素と二酸化炭素の交換量はかなり変わってくる」ことが裏付けられる結果となった。

■コリを和らげるための4つの方法
 それでは、花粉症が引き起こすコリなどの全身症状を改善するにはどうすればいいのだろう。大谷先生いわく、「深呼吸をする、鼻呼吸をする、水分をしっかり摂る、磁気治療器を使用するという4つの方法を取り入れるだけで、花粉症に伴う症状が改善されやすい」とのこと。

 鼻で呼吸をすると、鼻毛でアレルゲンなどをキャッチしてもらえるだけでなく、「喉が広がってより多くの空気を一度に吸い込むことができるようになる」そうだ。日々できる呼吸トレーニングとして、「2秒間で鼻から息を吸い、口をすぼめながら6秒かけてゆっくり息を吐く」という方法も紹介していた。

 もし鼻呼吸が難しいようであれば、「口呼吸を強制的に封じるために、口に水をふくんだまま日常生活を送り、鼻呼吸をする方法も有効」とのこと。また、水分をこまめに摂取することは、血流をよくし、乾燥を防いで線毛の働きを促すことにもつながる。「マスクを着用している人は、水分を摂取しそびれることも多いので、脱水を防ぐためにも、こまめな水分補給を意識してほしい」と、大谷先生。なお、磁気治療器は即効性があるため、「コリ解消の強い味方」という。

 花粉症による全身の不調に悩まされる人は、少しでも快適な春を過ごせるよう、今年は「コリ」にも着目した方がよさそうだ。
(取材・文/千葉こころ)

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