【150周年】幕末の維新志士たちの活躍を最高レベルに学べる「志国高知 幕末維新博」に行ってきた

2017/3/19 11:31 ネタりかコンテンツ部

せーの!「日本の夜明けも近いぜよーーーー!」

 

taisehokan

 

1867年、土佐の坂本龍馬らの尽力によって成立した「大政奉還」は、250年以上続いた江戸幕府の終わりと明治維新、そして近代日本のはじまりへと直結する歴史的大転換点となりました。

 

 

そんな大政奉還から150年という節目を迎えた2017年。多くの維新の志士を排出した高知県では、現在「志国高知 幕末維新博」という一大イベントが開催されています。

●公式サイト:http://bakumatsu-ishinhaku.com/

 

今回はその内容について詳しく知るべく、高知県主催による取材ツアーに参加してきました。

 

 

右側が僕。日本史好きで、山川出版社の『日本史用語集B』を丸暗記していたタイプです。左側は同僚のツベさん。歴史に全然詳しくなく、幕末の人間関係は『るろうに剣心』で覚えたタイプです。

 

「志国高知 幕末維新博」がはじまるよ(JR高知駅前)

 

高知駅前の広場に着くと、早速「坂本龍馬」「中岡慎太郎」「武市半平太」の三志士像が出迎えてくれました。これが土佐的な維新ビッグ3というわけですね。

(なお「維新の3傑」とは大久保利通、西郷隆盛、木戸孝允の3人を指し、龍馬や高杉晋作は含まれません。テストのときには注意してください)

 

 

そして、幕末維新博の開催にあわせてリニューアルオープンされたのが、こちらの「こうち旅広場」です。

 

 

 

駅の目の前にあり、イベント全体の総合案内所的な機能を持っているので、高知に着いたら最初に訪れるのがいいでしょう。おすすめのお土産物も揃っています。

 

 

さらに、福山雅治さん主演で話題となった大河ドラマ『龍馬伝』で使用された「龍馬の生家」のセットも完全再現されていました。

 

 

 

入場無料で、全体はこんな感じ。けっこう広くかつ緻密につくられており、番組のファンでなくともテンション上がると思います。

 

龍馬人気再燃の理由はバルチック艦隊の存在だった!?(青山文庫と仁淀川エリア)

 

『龍馬伝』も話題になったとはいえ、現代の龍馬人気はやはり司馬遼太郎が書いた『龍馬がゆく』の影響が大きいでしょう。

ただ、明治維新前に暗殺された龍馬が英雄であり続けたのは、司馬遼太郎や武田鉄矢より遥か以前にその偉業を広く世間に伝えた人物がいたからこそです。

 

その人物がこちら。

 

人物紹介:田中光顕

土佐勤王党や陸援隊の一員として活躍。近江屋の事件(坂本龍馬と中岡慎太郎の暗殺)時は真っ先に現場に駆けつけた一人であるなど、龍馬に縁の深い人物。維新後は明治政府で要職を歴任し、宮内大臣となる。維新志士たちの功績を称える事業や遺族支援に尽力するとともに、遺墨コレクションや皇室関係資料等を、地元・佐川町の青山文庫に多く寄贈する。

 

 

というわけで田中光顕とゆかりの深い「青山文庫」にやってきました。幕末に限らず、近世・近代の貴重な資料を見ることができる博物館です。

 

田中光顕による龍馬の再ブームの仕掛けとは?

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龍馬の再ブームは、当時宮内大臣だった彼にしかできない方法で引き起こされたものでした。そのエピソードがこちら。

 

維新志士たちのこともすっかり忘れ去られた1904年の冬。日露戦争突入により、当時世界最強と謳われたロシアのバルチック艦隊の動向を、日本全体が心配していた頃でした。 ある日、皇后陛下の夢枕に一人の男が現れ、「日本海軍ならきっと勝てますよ」的なことを告げます。皇后陛下はこの男を知りませんでしたが、夢の話を聞いた宮内大臣の田中光顕が「それはこの男だったのではないですか」と龍馬の写真を見せたところ、「この人物に違いない」となりました。 この話が広まった結果、龍馬は一躍「海軍の神様」となって脚光を浴びたのです。

 

不安が煽られている時勢の中、当時の絶対的な存在であった皇后陛下に龍馬を絡ませたうえ、そのエピソードを新聞にリークするなどして拡散させたわけですね。

 

 

土佐藩出身である田中光顕としては、純粋に尊敬する龍馬の名声回復を狙ったというのはもちろん、薩摩・長州の出身者のみで固められていた当時の政権に対する反発心もあったのでしょう。真意はいずれにせよ、これをきっかけに龍馬は再び日本全体のスターとなったのです。

*もちろんこの前後にも、坂崎紫瀾や勝海舟をはじめとするさまざまな龍馬推しの流れがあったうえで、龍馬人気は現在に至ります。

 

 

なお、青山文庫のある仁淀川エリアには水質ランキング日本一の「仁淀川」が流れており、特に上流部の“仁淀ブルー”と称される美しい青色は一見の価値ありです。

 

 

写真は仁淀川支流の中津川に沿って遊歩道が整備されている「中津渓谷」

 

 

自然の力で形作られた渓谷美を楽しむことができます。

 

 

高知といえば四万十川が有名ですが、市内から車で約3〜40分の仁淀川エリアも見応え十分ですよ。

 

 

あと、中津渓谷に向かう道中、役場の人からやたらと「ドライブイン引地橋」のおでんを食べるようすすめられました。1串100円。食べやすいサイズで、熱くておいしいです。

 

高知の歴史と文化の新拠点で、坂本龍馬の書簡を見よう(高知県立高知城歴史博物館)

 

続いて紹介するのは、幕末維新博の目玉の1つである「高知県立高知城歴史博物館」です。http://www.kochi-johaku.jp/

 

3月4日に開館したばかりのこちらでは、約6万7千点におよぶという土佐藩主山内家伝来の数々の資料を収蔵・展示しています。

 

 

龍馬を取り巻く人物や時代に関する多くの資料を通じ、幕末の熱気を感じることができる中、注目は本展が全国初公開となる“坂本龍馬が暗殺される5日前に書いた手紙”です。

 

 

暗殺される直前まで、龍馬が新しい国家の建設や財政問題の解決に取り組んでいたことが分かる貴重な資料。「新幕府」ではなく「新国家」という言葉が使われていることからも、龍馬が目指していた「今後の日本」の姿をうかがい知ることができます。(ぜひ現地で本物をご覧ください)

 

 

 

そのほか古文書や美術工芸品などの国宝や重要文化財も多数展示。

 

 

 

体験型展示や映像なども充実しており、そこまで歴史に興味がない人でもきっと楽しめると思います。

 

 

こちらは館内でおこなわれていた「かぶってみたい『兜』大選挙」の様子。

 

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写真手前のミッ◯ーみたいな耳のついた兜が一番人気でした。

 

豪華オープニングイベントと、大スキ!高知城

 

この日は高知城内の広場にて、「志国高知 幕末維新博」の盛大なオープニングイベントが開催されました。

尾﨑高知県知事とともに、特別ゲストとして高知を代表する女優・広末涼子さん、そして時代劇を代表する俳優・高橋英樹さんの両名も登場。

 

 

「この辺りでよく遊んでたけど、こんなに高知城に人が集まってるのを生まれてはじめて見ました」と広末さん。

「実は初めて髷のカツラをかぶって役を演じたのは、武市半平太(土佐の幕末の志士)役だった。それ以降、髷のついた役ばっかりになっちゃったけどね(笑)」と高橋さん。

 

 

こうして、1867年の大政奉還から1868年の明治維新までの150周年を記念したイベントとして、2017年から2018年までの2年間にわたって開催される「志国高知 幕末維新博」は華やかにスタートしました。

 

城好きが楽しめる城・高知城

 

大政奉還、そして維新の主役の一人であった土佐藩主・山内容堂の居城であった「高知城」。オープニングイベントの会場にもなったように、まさに幕末維新博を象徴する存在です。

 

 

仲間由紀恵さん主演の大河ドラマ・『功名が辻』で有名となった山内一豊によって創建されました。

 

 

幕末維新博の開催に伴い城内の広場も賑わっていましたが、やはり高知城最大の魅力は、全国でも唯一本丸の建造物がほぼ完全なまま現在まで残っているという点。

 

 

城好きならいろんな体液が出るぐらい興奮する構造となっており、高知に来たら絶対に立ち寄りたいスポットの1つです。

 

 

ちなみに高知城は、旧領主である長宗我部家の残党からの襲撃に備えるために急ぎ築城されたという、ばりばりの軍事要塞仕様。

 

 

攻城戦用にわざと増築された石段が200段あり、天守閣までの道のりはけっこう大変です。

 

 

疲れたときは、ワゴン販売している高知名物「アイスクリン」を食べましょう。

アイスクリームよりもあっさりした味わいで、全体的にシャリシャリとしたシャーベット状の食感を楽しめます。

 

ひろめ市場で昼食を

 

お昼になったので、高知城から徒歩数分の「ひろめ市場」にやってきました。

高知中の「食」が集う場所として、県内外から多くの人が訪れます。

 

 

新鮮なお刺し身なんかはもちろん、和・洋・中その他さまざまな飲食店約40店舗が軒を連ねています。さらに、お土産物屋さんや洋服屋さんなどの物販店約20店舗が混在し、巨大な屋台村かのような施設となっています。

 

 

好きな店舗から好きな料理を買い、好きな席で食べられるというシステム。好きなだけ飲み食いしましょう。(*一部、店舗専用の席もあります)

 

 

また、ひろめ市場に来る地元の人はどんどん相席してきます。それが高知流なので、どんどん交流しましょう。

 

龍馬の生まれた場所は今(高知市立龍馬の生まれたまち記念館)

 

最後に向かったのは、坂本龍馬の誕生地。

さぞ立派な記念館などが建てられているかと思いきや……

 

 

病院になってました。(一応その横に記念碑があります)

 

ちなみに龍馬の生家は400坪の豪邸だったそうです。勝手に貧乏なイメージを持ってたんですが、けっこういいとこの坊っちゃんだったみたいですね。

 

 

なお、すぐ近くに「高知市立龍馬の生まれたまち記念館」という記念館があるので、龍馬ファンは安心してください。

 

 

龍馬の少年時代を中心に、映像や模型でわかりやすく解説・展示されています。

 

 

北辰一刀流の免許皆伝でありながら生涯で人を斬ったことはなかったという逸話や、脱藩に至るまでの激動のストーリーをガイドさんが詳しく説明してくれましたが……

 

 

「脱藩から暗殺されるまでの5年間を知りたい人は、桂浜の『坂本龍馬記念館』に行ってね!」とのこと。マジか。そこ一番盛り上がるとこ。

 

桂浜までは、高知市内から車で約40分。飛行機に間に合わなくなるので、今回は諦めて帰りました。

 

まだまだ紹介したい土佐の偉人たちと、土佐おもてなし海援隊

▲全部人物特定できるという方は相当な日本史マニア。

 

というわけで、今回の記事では龍馬をメインで案内させていただきましたが、もちろん幕末の土佐の偉人は他にもたくさんいます。

そして現在、龍馬と関わりの深い偉人たちによるPRユニットとして高知で活動をしているのが、「土佐おもてなし海援隊」です。

 

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http://ameblo.jp/tosaok/

公式ページ記載の設定は以下のとおり。

過去から未来への時空を超えて、現代に再び甦った土佐の偉人たち。「志国高知 幕末維新博」など高知の歴史観光を盛り上げPRしていく、高知を愛する6人組。メンバーは、坂本龍馬、武市半平太、中岡慎太郎、吉村虎太郎、ジョン万次郎、岩崎弥太郎。

 

武市半平太は、龍馬も加盟した「土佐勤王党」を結成した土佐志士のリーダー的存在。中岡慎太郎は、薩長同盟締結のために駆け回った龍馬の盟友。岩崎弥太郎は、後に三菱財閥の創始者となる人物です。

この3名と坂本龍馬は、漫画や映画などいろんな幕末作品で登場するメンバーのため、何となく人物像も浮かぶかと思います。以下、高知以外ではそこまでメジャーではないと思われる2名について補足紹介しておきます。

 

ジョン万次郎

本名は中濱萬次郎。もともと土佐の漁師だったが、ある日漁船が漂流してしまい、結果的にアメリカへ渡り生活することに。そして11年後、当時の最新知識を持ち帰り、藩や政府の通訳などとして活躍することになります。龍馬は、ジョン万次郎が語った「欧米列強が覇権を競う世界の現実」を、土佐藩絵師の河田小龍から聞かされ、その内容の衝撃から脱藩を決意したといわれています。

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▲資料館のパンフレットのインパクトも強い。

 

吉村虎太郎

幕末の志士はみんなすぐ脱藩しますが、「坂本龍馬に先駆け脱藩した男」として高知では大きくクローズアップされているのが、こちらの吉村寅太郎。「土佐の四傑」として、武市半平太・坂本龍馬・中岡慎太郎と並べ讃えられている人物です。寺田屋事件で捕縛され土佐に送還されたりもしましたが、後に畿内で天誅組を率いて挙兵するなど、激しく討幕に燃えた生涯を過ごします。

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▲ミレービスケットのパッケージになるほど高知ではメジャーな人物。

 

以上の6名による“土佐の偉人選抜ユニット”が、「土佐おもてなし海援隊」なのです。

 

 

オープニングイベントでも幕末維新博用の新曲を披露するなど、実際に高知ではかなり人気のあるユニットのようで、たくさんの声援が飛び交っていました。

 

まとめ

このように、幕末の歴史探求だけでも、1泊2日では回りきれないほど見所が満載だった高知県。でも「志国高知 幕末維新博」は2年に渡って開催されるイベントなので、季節やエリアにあわせ何度も訪れてみるのがよいかもしれません。

リピーター向けに「龍馬パスポート」という特典サービスもしっかり用意されているので、興味のある方はぜひご活用ください。

 

最後に、どうも龍馬が苦手という方へ

 

龍馬王国ともいうべき高知においては禁句かもしれませんが、実は僕は坂本龍馬がそんなに好きではありませんでした。正確に言うと、「龍馬の異常なヒーロー扱いがちょっと苦手」だったのです。

だって、特に40代以上の人に多いのですが、みんなちょっと龍馬のこと好きすぎるじゃないですか。SNSのプロフィール欄に「おもしろき こともなき世を おもしろく」って書く人と同じぐらい、尊敬する人欄に「坂本龍馬」って書く人いるじゃないですか。志半ばで若くして散ったという、ロックスター的なとこも完全なプラスになってますし。

 

 

あと、漫画とかドラマの龍馬は、侍相手に鉄砲ぶっ放しながら「これからはピストルの時代ぜよ!」とか言いがちじゃないですか。いやわかるけど。でもそれ、ちょっと違うだろって、子供心に思っちゃいますよね。そういうところが何となくダメでした。

 

でも、当然ながらそれらは、後世の人たちよって作られた「龍馬像」に対しての偏見でしかありません。むしろ、アンチ的な気持ちが生まれるのは、それだけの魅力や才気が後世に伝えられる当人の姿にあったからこそなのでしょう。

 

 

今回の取材では、龍馬に対する歴史的に貴重な資料や展示を多く見たことで、ファンにはならずとも「この人やっぱすげぇなぁ」と普通に思うことができました。

もし僕と同じく「龍馬の異常なヒーロー扱いがちょっと苦手」と感じている歴史好きの人がいたら、特に高知城歴史博物館など、わりとフラットな気持ちで龍馬に触れることができるいい機会だと思いますので、ぜひ訪れてみてください。

佐幕派でも、今まで見落としていた維新派の面白さに気づけるかもしれませんよ。

 

 

 

それではまた。

 

 

「志国高知 幕末維新博」公式サイト:http://bakumatsu-ishinhaku.com/

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