17歳の女子高生もディレクター!?「渋谷のラジオ」は台本なし・スタッフ全員ボランティアのコミュニティFM

2017/3/15 19:01 ネタりかコンテンツ部

こんにちは。渋谷区在住、渋谷大好きライターの砂流(スナガレって読みます)です!

さて、皆さんは「渋谷のラジオ」というラジオ局をご存知ですか?

 

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https://shiburadi.com/

 

2016年4月に開局された「渋谷のラジオ」は、理事長にクリエイティブ・ディレクターの箭内道彦さん、ファウンダーには歌手・俳優の福山雅治さんが名を連ねているラジオ局です。

そう聞くとなにやら豪華なメディアという印象ですが、実際には番組出演者およびスタッフのほとんどが、渋谷区在住または渋谷で働いている一般の人なんだそうです。

 

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ラジオのプロではなく、一般の人がメインで運営しているラジオ局……? 一体どんなところなんでしょうか。気になったので、直接聞いてみることにしました。

 

スタッフは全員ボランティア。渋谷の防災のためのラジオ局

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お話を伺ったのは、制作部長の西本さん。吉本興業、ほぼ日刊イトイ新聞を経て、渋谷のラジオを担当されているそうです。

 

ーー 本日はよろしくお願いします。早速ですが、渋谷のラジオとは一体どういうラジオ局なんでしょうか?

 

西本:渋谷という地域に密着したコミュニティFMのラジオ局です。コミュニティFMというのは、町や区、市などに密着した地域メディアのことですね。だからウチの番組に出演してもらう人のほとんどは、渋谷に住んでいる人・渋谷で働いている人たちになります。著名人やタレントさんが担当する番組もありますが、19時以降に放送される一部の番組のみですね。

 

ーー 渋谷に関わる人でやっている、というのが重要なんですね。

 

西本:そうです。例えば「渋谷の本屋さん」って番組では、実際の渋谷の本屋の店員さんに出勤前に来てもらい、オススメの本なんかを紹介してもらっています。

 

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▲渋谷のラジオのライムテーブルの抜粋。「渋谷の奥さん」「渋谷商店部」など、渋谷つながりの番組がたくさん。

 

ーー なるほど。でも、出演者もスタッフも一般の人だと、台本通りに進まないとか大変なことも多いんじゃないですか?

 

西本:いや、そもそも台本自体がないんですよ。

 

ーー え!? じゃあどうやって番組を進行してるんですか?

 

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西本:どの番組も、基本的にフリートークでやってもらってます。人って、好きなものや趣味の話なんかはけっこう延々と話せますよね。だから、どの番組も出演者が好きな話をできるような企画にしているんです。

 

ーー 斬新な番組の作り方ですね。

 

西本:そもそもウチは、企業や個人の支援から成り立っているラジオ局なので、お金がないんですね。出演者にお支払するギャラも、専任の構成作家やディレクターを雇うようなお金もありません。だから出演者への指示出しや進行管理を担当するディレクターも、全員ボランティアです。下は17歳の女子高生から上は58歳の主婦まで、ウチのディレクター陣は幅広いですよ(笑)。

 

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▲ディレクターとして活躍する17歳の女子高生と58歳の主婦。

 

ーー 想像していたラジオ局の姿と全然違うので驚いてます。ところで「渋谷のラジオ」はどういう目的で運営されているんですか?

 

西本:新しい繋がりを生む場所を作るため。そして、防災のためです。

 

ーー 防災、ですか?

 

災害発生などの緊急時、渋谷に住む人に向け、リアルタイムでさまざまな情報発信をおこなうことを目的としています。逆にいえば、毎日ずっと何かしらのラジオ番組を放送しているのは、災害時に備えての予行演習のようなものなんです。

 

渋谷に住む人たちだけで放送を続けられる環境は整ってますしね。渋谷区のバックアップもあり発電機も完備されているので、区全体が停電になっても放送はできるんです。

 

ーー なるほど。

 

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▲発電機

 

渋谷のラジオの番組制作の舞台裏

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ではここから、渋谷のラジオのある1日を紹介していきましょう。まずは朝の7時、スタジオの鍵を開けるところから始まります。

 

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事務所に入ると西本さんは、まずオフィスとトイレの掃除から行うそうです。「これからやってくる出演者やスタッフの人たちが気持ちよくスタジオを使えるように」という気持ちが込められているんですね。

 

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朝8時からはじまる生放送の前に、スタッフの皆さんと今日一日の流れを確認します。打ち合わせ時間は約10分。台本がないフリートーク番組ばかりなので、打ち合わせ時間も短くてすむそうです。

 

スタッフの皆さんはシフト制で、午前中ずっと入ってる大学生もいれば、仕事終わりに1時間だけ入る会社員の方など、職種も時間もみんなバラバラです。

 

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こちらが放送ブース。朝8時から夜10時までの間、ここで生放送がおこなわれます。

 

ちなみに渋谷のラジオでは、月曜から金曜まで曜日ごとに「総合司会者」という役割が設定されています。その日のほぼすべての番組の司会進行を務めるというめちゃくちゃハードな役割です。

この日の総合司会である西本さんは、朝からほぼ休み無しで10時間くらい話し続けるとか。大変。

 

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放送ブース内には、渋谷のラジオを支援している企業や個人の方の名札が、ずらーっと並べられていました。

 

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ラジオ放送のための機材たち。これを扱うのも、もちろんプロではなく一般のスタッフの皆さん。

 

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放送中はこんな感じでミキサーをいじりながら、

 

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カンペを出したり、

 

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Twitterの更新をしています。すごいマルチタスクっぷり。

 

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放送中はこんな感じです。

 

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スタジオは1階にあるので、外から中の様子は丸分かりになります。出演者とスタッフの楽しそうな雰囲気が伝わってきますね。

 

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こちらは、渋谷で働く女性が毎回ゲストとして登場する「渋谷ではたらくおねえさん」という番組の様子です。

 

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一般の方のみが出演する番組だけではありません。こちらは、NHKのプロデューサー・河瀬大作さん、日本テレビのTプロデューサー・T部長でお馴染みの土屋敏男さんがフリートークを繰り広げる「渋谷のテレビ」という番組の様子。

 

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そしてこちらは、元JUDY AND MARYのTAKUYAさんがパーソナリティを務める「渋谷通信部」という番組。

 

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こちらの様子は、生放送を見にきたというTAKUYAさんのファンの方たちに、直接質問をしているところ。生放送中なのに放送ブースの扉を開け、そのまま聞いてしまっています。他にも、関係者から差し入れをいただいたり、通りがかりの人に放送ブースに入ってもらってそのまま喋ってもらったりと、とにかく自由なラジオ局です。

 

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基本は生放送ですが、一部のタレントさんの番組や特番などは録音専用のブースで収録します。

 

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こちらを録るのも、もちろん一般のスタッフの人。ていうかもうプロにしか見えませんね。

 

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スタッフの人は入れ代わり立ち代わりやってきます。引き継ぎは当然しっかりやりつつも、交代するスタッフや出番前後の出演者たちと楽しく会話しながら、みんなで番組を作っているぞという感じがよく伝わってきました。

 

このように朝7時の解錠から夜12時の施錠までの間ずっと、渋谷のラジオの現場では、さまざまな形で「新しい繋がり」が生まれていました。

 

渋谷のラジオの本当の開局理由は「みつばちの宣伝」だった!?

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最後に、理事長の箭内道彦さんと一緒に渋谷のラジオを立ち上げた発起人であり、現在はチーフプロデューサーを努めるKATSU佐藤さんにお話を伺いました。

 

ーー KATSUさんもボランティア参加とのことですが、普段はどういうお仕事をされているんですか?

 

KATSU:僕は30年以上前から渋谷で不動産業を営みながら、渋谷の桜の保護と育成、花や緑を植える環境活動、あとビルの屋上に緑を増やしてみつばちが住める環境を増やていくという「渋谷みつばちプロジェクト」などをやっています。

 

ーー KATSUさんが「渋谷のラジオ」を開局しようと思ったきっかけは何だったんですか?

 

KATSU:渋谷区には元々「SHIBUYA-FM」というコミュニティFMがあったんですが、2013年に閉局しちゃいました。僕はSHIBUYA-FMで毎年、みつばちプロジェクトや桜に関する活動を宣伝してもらっていたんですけど、その場所が突然なくなっちゃったわけです。それで「なくなったんなら、自分で作るかぁ」って。

 

ーー え!? つまり、みつばちの宣伝のために開局ですか!?

 

KATSU:それだけが目的ってわけじゃないんですけど、大きな理由のひとつではありましたね。そもそも環境問題っていうのは、すごく難しい話になるじゃないですか。だから、わかりやすい取り組みの形の1つとしてみつばちプロジェクトがあり、それを広げていくためにはラジオが必要だと考えたんですよ。渋谷から発信する地球温暖化対策ってやつですね。

 

ーー 完全に「 みつばちラジオ」ですね……。どうして箭内道彦さんと一緒にやることになったんですか?

 

KATSU:箭内さんは東北での震災の経験から、災害時の情報伝達や人命救助の手段、そして被災者に勇気を与えるためにもコミュニティFMは欠かせない、と動かれていたんです。それが僕たちとたまたま同じタイミングだったので、「じゃあ一緒に立ち上げようぜ」と。それで箭内道彦さん、福山雅治さん、そして僕の3人がファウンダーとなって動くことになったのです。

 

ーー KATSUさんは出資もされてるんですね。

 

KATSU:「言い出しっぺなんだから責任とれ」とか言われちゃって(笑)。

 

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ーー 運営のための資金はどのように調達されているんでしょうか?

 

KATSU:スペシャルサポーターである企業3社からの出資、渋谷区の広報予算、そして「市民ファウンダー」という個人からの支援(寄付会員)によって運営されています。市民ファウンダーは、初年度一口1万円、次年度以降は一口5千円で、渋谷区民でなくとも誰でも参加できる仕組みになっています。いずれは寄付金のみで運営できるようになるのが目標ですね。

 

ーー なるほど、ありがとうございました!

 

まとめ

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いかがでしたでしょうか?

渋谷のラジオは、まさに「渋谷の、渋谷による、渋谷のためのラジオ」といえる、渋谷生まれ渋谷育ちのコミュニティFM。あえて台本なしで好きなことを語ってもらう構成とすることで、一般の人たちが気軽に出演者にもスタッフにもなれる仕組みをつくるなど、普通のラジオ局とは一味も二味も違う運営体制を知ることができました。

渋谷のラジオの関係者の皆さん、本当にありがとうございました。

 

なお、渋谷のラジオはアプリからも視聴可能です。渋谷エリア在住者以外も番組を楽しめますので、気になった方はぜひ視聴してみてくださいね。

iOSはこちら
Androidはこちら

 

また、過去放送分は「渋谷のラジオのnote」というサイトにアップされています。

皆さんもぜひいろいろ聴いてみてください! それでは!

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