みんな“かわいい”に飽きている!?  ネタぬいぐるみ作家・せこなおさんインタビュー

2016/6/9 21:34 ネタりかコンテンツ部

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こんにちは。指圧師の斎藤充博です。普段は人間のマッサージをしているのですが、動物から肉、はては「ぬいぐるみ」まで頼まれればなんでも指圧します。

さて、SNS上でこんなぬいぐるみが話題になっています。

 

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「きのこVSたけのこ」。作っているのはぬいぐるみ作家のせこなおさんです。

 

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せこなおさんは他にもたくさんのユニークなぬいぐるみを作っています。また普段は、企業からの依頼でぬいぐるみをデザインしているそうです。

 

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こちらは自宅での作業風景。棚には「みんなが知っているキャラ」がズラリと並んでいますね。もちろん全て企業から公式に依頼されたものです。

 

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こんな、どこかで見たことのあるキャラや……、

 

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こんなキャラも、ぬいぐるみをデザインしているのはせこなおさんです。そんなせこなおさんに、ぬいぐるみ制作について話を聞いてみました。

 

 

キャラクターが「本当にいる」という存在感を出す

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――普段ぬいぐるみを見てもぼくはかわいいと思うことはないのですが、せこなおさんのぬいぐるみは、どれもかわいいですね。制作する上で、こころがけていることなどありますか?

せこなお キャラクターの商品展開を構想する際、まず作られるのがぬいぐるみなんです。みんなが最初に触れる物だから、キャラクターがここに「本当にいる」という存在感を出すように制作しています。

――2次元のイラストをぬいぐるみにするのって、大変そうですね。

せこなお 本当に大変です。ぬいぐるみの制作は工程が多くて、綿を詰めるまで形が確認できないんです。だから、何度も作り直します。原作のイラストを描いた人に「このキャラはこういう形をしていたのか!」って驚かれるくらい、2次元のものを立体的にイメージするのは難しいんです。

――それにしても、有名なキャラのぬいぐるみがたくさんありますね。

せこなお ぬいぐるみの本体だけじゃなくて、私は型紙も作ります。大量生産用のぬいぐるみの型紙を作れる人って、そんなにいないんですよ。ぬいぐるみの生産会社やメーカーの中にはもちろんいるんですが、私はフリーランスで融通が利きやすいので、お問い合わせいただくことが多いですね。

 

 

ダイオウイカVSマッコウクジラ

――普段のお仕事とは別に、自主制作の「ネタぬいぐるみ」も手掛けていますよね。

せこなお やっぱりオリジナルのぬいぐるみを作りたいって気持ちがありまして……。ちょくちょく作ってSNS上で投稿しています。それで最初に人気が出たのがこれ。ダイオウイカとマッコウクジラです。

 

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――Twitterで見ました。本当に闘っているように見える。すごいアイデアですよね。

せこなお 実は「リバーシブルで変形するぬいぐるみ」は昔からあるんですよ。普通のぬいぐるみなんだけど、ひっくり返すとクッションになるものとか。これは、そのパターンをちょっと複雑にしているだけなんですよね。

 

きのこVSたけのこ

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――これもTwitterでものすごくシェアされてましたね。

せこなお これはウケましたね。8000以上シェアされました。

――ところで、きのこVSたけのこって、微妙に版権モノっぽい気がするんですが。お菓子の……

せこなお あのお菓子とは全然関係ないです! あくまでも、野生の「きのこ」と「たけのこ」なので!

――(笑)。なんかズルい!

せこなお ちなみにこれは、きのこに歯をつけたのがポイントです。「食べているところが妙にセクシー」なんて言われたりしていますね。

 

ヒツジとオオカミ「くうかくわれるか」

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せこなお これは初めて作ったリバーシブルぬいぐるみです。そもそも、なぜこういうものを作ろうと思ったかというと、「簡単に作れるぬいぐるみ」を模索していた時期があったんですよ。

――これを作るのって簡単なんですか?

せこなお リバーシブルなら、綿を詰める工程を減らせるじゃないですか。だからラクに作れそうだと思ったのですが、結果的に普通のものより難しくなってしまいましたね……。

――でもその誤算が、話題性のあるぬいぐるみ制作につながったんですね。

 

 

リバーシブルぬいぐるみ、アイデアは止まらない

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せこなお これは近々作ろうと思っているリバーシブルぬいぐるみのラフです。ウサギが変形してニンジンになります。

 

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――これ、ウサギのバッテンになっている口がそのまま開くんですか?

せこなお それがやりたいんです! 裏側がニンジンなので、ウサギの口の中の赤色と相性がいいですし。

――ウサギの口が限界まで開く様子は見てみたいですね。結構グロそうだけど。

 

 

リバーシブルタイプ以外にも、ユニークなぬいぐるみを展開

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――これはいったい……?

せこなお ネコがマスクをかぶるとトラに変身します。覆面レスラーの設定ですね。他の動物でも作っていて、クマがマスクをかぶるとパンダに変身する物もあります。これも、リバーシブルぬいぐるみと同様に「変化を楽しむぬいぐるみ」というコンセプトで作ってみました。

 

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せこなお これはマンドラゴラのぬいぐるみです。引っ張ると声が出るようにしています。

――声を聞くと死ぬやつですよね。

せこなお そうです。マンゴラドラは野菜の形をした妖怪で、地中から引き抜くと奇声を上げます。その声を聞いた者は精神に異常をきたして死んでしまうとか……。

 

※心臓の弱い方は、動画の再生を控えてください。

 

――声が本気で不吉ですね。これ、誰の声ですか?

せこなお 私です。家に誰もいないときを狙って録音しました。

――なるほど。家族に見られたら気が狂ったと思われちゃいますもんね。それにしても、こいつ、目が凶悪だなぁ。

 

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せこなお まぶたをちゃんと作ってあるんですよ。気持ち悪く作っているはずのに、マンドラゴラは「かわいい」って感想が多いんです。たぶんみんな、ストレートな「かわいい」に飽きているんですよ。かわいいって感情が細分化されてきて「キモかわいい」とか「コワかわいい」なんて言うじゃないですか。その流れで、これが「かわいい」と言われるのかもしれません。

 

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せこなお これは光る「発光ダイオードイカ」です。夜店で売っているおもちゃみたいにしました。ラメや透ける素材を使うなど、いろいろと工夫しています。

――ダイオウイカとかけてるだけかと思いきや、すごくイカっぽいのが悔しいですね。イカって夜光るし。

 

 

なかにはあまり愛されなかったキャラも……

――ウケなかったぬいぐるみはありますか。

せこなお 「穴ネコ」はウケなかったですね。

 

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せこなお ちくわや天ぷらの衣にネコが入っていて、抜けるようになっています。

 

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せこなお ネコってやたらと長くて、せまいところに入っているイメージがあって。それで、体をかなり細くデフォルメしました。

――だからって、ちくわや天ぷらの衣の中に入れなくてもいいような気もします。

せこなお みんなそう思ったんですかね。でも、エビ天の中身だけが出ちゃうことってあるじゃないですか? それをぬいぐるみで再現したつもりなんですけど、共感が得られなかったようですね。

 

ぬいぐるみは自分の足で立つべし

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せこなお これは特にネタっぽさはないんですけど、二本脚で自立します。

――これ、どうやって立たせているんですか? こんな細長い形なのに。

せこなお ぬいぐるみの真ん中を通る軸に重心がかかるような形にして、自立させてるんです。

――すごい。中心軸でバランスを取る人体の仕組みと同じですね!

せこなお ぬいぐるみって基本的に自立しなくちゃダメなんです。おもちゃ売り場で寝転がっていると投げ売り感が出ちゃうので、立たせてお客さんと目が合うようにしたい。バランスが難しい物はせめて座らせるようにしています。

――立たせることに、そんな願いが込められていたんですね。よく考えられてるなぁ。

 

ぬいぐるみは自由だ

せこなおさんのぬいぐるみを見ていると、ぼくの持っていた「ぬいぐるみ観」が揺らぎます。ぬいぐるみってこんなに自由だったんですね。せこなおさんの技術力の高さがそう思わせるのかもしれません。

最後に、ぼくとぬいぐるみたちで記念写真を撮りました。

 

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一発で夢の中みたいな風景になりましたね。ぬいぐるみって、すごいな。

 

【取材協力】
せこなお
Twitter:https://twitter.com/sekonao
ホームページ:http://sekonao.com/

 

斎藤 充博(Twitter:@3216)+有限会社ノオト

インターネットが大好きで、ウェブ記事を書くことがどうしてもやめられない指圧師です。「下北沢ふしぎ指圧」(外部サイト)を運営しています。今まで書いたものは「斎藤充博ライター活動まとめ」(外部サイト)にあります。

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