ドラマのようにタクシーに乗って「海が見たい」とだけ告げたら、運転手はどう対応するのか?

2014/5/13 21:42 ネタりか自由帳

ドラマのようにタクシーに乗って「海が見たい」とだけ告げたら、運転手はどう対応するのか? ドラマのようにタクシーに乗って「海が見たい」とだけ告げたら、運転手はどう対応するのか?

スマートフォンを使って、さまざまな実験を行うこの企画。第96回は、タクシー運転手に消えるような声で「海が見たい……」と告げるとどうなるのかを調査します。

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こんにちは、セブ山です。

ゴールデンウィークも終わり、いよいよ本格的に5月が動き出しました。

しかし、5月というと、やはり気になるのは「五月病」ですよね。

とくにこの春、新社会人になったばかりの方々は、そろそろ「仕事から逃げ出したい……」と考え始めている時期なのではないでしょうか。

そんな「仕事に煮詰まった状態」といえば、ドラマなどでよく見かける「タクシーに乗り、運転手に消えそうな声で”海が見たい……”と告げるシーン」が連想されます。

仕事や恋愛など、とにかく人生に行き詰った主人公が、タクシーに飛び乗り、「海が見たい……」とだけ告げたら、次の場面では、もうすでに海にいて、黄昏ているという例のアレです。

何の作品の、どのシーンに登場したのかは一切思い出せませんが、なんとなくそういう演出って、よく見かけるような気がします。

もし、それをドラマではなく現実でやってみたらどうなるのでしょうか?

ドラマでは、次の場面では、すでに海にいますが、現実ではそうもいきません。

車内は一体どのような雰囲気なのでしょうか?

そもそも、ちゃんと海に連れて行ってくれるのでしょうか?

というわけで今回は、実際に「タクシーに乗り、運転手に消えそうな声で”海が見たい…”と告げるとどうなるのか?」を検証してみましょう!

■ まずはタクシーを拾う

Yahoo!マーケットには、カンタン操作で、今いる場所までタクシーが迎えに来てくれる「全国タクシー配車」というアプリがあります。

今回は、そちらのアプリを使って、タクシーを呼んでみました。

待つこと数分、タクシーが迎えに来てくれました。

お~い! こっちこっち~!

目の前にぴったり止まってくれたタクシー。

さあ、いよいよ本題である「運転手に消えそうな声で”海が見たい……”と告げる」という検証実験のスタートです。

ここからはカメラマンも同行せず、僕ひとりだけで乗車します。

一体どうなるのでしょうか?

■ 運転手に「海が見たい」と告げる

運転手「ご乗車ありがとうございます。ドアを閉めさせていただきますね、お気をつけください」

セブ山「はい」

運転手「どちらに向かいましょうか?」

セブ山「海が……、見たい……」(今にも消えてしまいそうな元気のない声で)

運転手「はい?」

セブ山「海が見たいです……」

運転手「どこ(の海)に行きましょう?」

セブ山「海……」

運転手「……」

セブ山「……」

車内になんとも言えない空気が漂います。

今回の実験では、「行先については”海が見たい”としか答えてはいけない」というルールを自分で決めていたので、「○○の海」と指定することはできません。

運転手は、50歳前後の男性。スキンヘッドのおじさんです。

正直、ちょっとビビってます……。

運転手「……海ですか?」

セブ山「海です……」

運転手「お台場ですか?」

セブ山「……海にお願いします」

運転手「はい……。お台場でいいですよね?」

セブ山「海……」

運転手「近いところだと、お台場ですね。湘南だと1万円以上いっちゃいますが、どうしますか?」

セブ山「……」

運転手「どうしましょう?」

もうひとつ決めていたルールとして、こちらからは「海が見たい」としか言わない代わりに、運転手さんが決めた目的地には素直に従うというものがあります。

しかし、予算の関係上、湘南(料金1万円超え)はツラい…

セブ山「海に……、行ってください……」

運転手「う~ん……」

セブ山「……」(やばいやばいやばい!)

運転手「お台場なら5000円もかからないくらいでいけるので、お台場にしましょう。景色もいいし」

セブ山「はい」(よ、よかった~~~~!!!! セーフ!!!!)

こうしてタクシーはお台場へと進み始めました。

■ 「海が見たい」と言ってきた客に運転手は何を話しかけるのか?

走り始めて数分たったころ、運転手さんから話しかけてくれました。

運転手「なんで、海を見たいと思ったんですか?」

セブ山「ちょっと仕事で失敗しちゃって……、なんとなく海が見たいと思いまして……」

運転手「なるほど」

セブ山「……」

運転手「サーフィンでもされたらいいんじゃないですか?」

セブ山「サーフィンですか?」

運転手「はい、気持ちいいですよ。嫌なことを忘れられます」

セブ山「サーフィンされてるんですか?」

運転手「はい、もうかれこれ30年くらいやってますね」

セブ山「へぇー、すごい!」

運転手「サーフィンはいいですよ。お客様もぜひ!」

セブ山「サーフィンかぁ……、今までサーフィンをするっていう発想は全くなかったですね」

運転手「あんまり海に行く機会ってないですか?」

セブ山「なかなか都内に住んでいると……」

運転手「まぁ、そうですよね。私も最近はなかなか行けてません。だから来月、藤沢に引っ越すんですよ」

セブ山「え? サーフィンのために引っ越すんですか?」

運転手「そうなんですよ。今から楽しみです!」

セブ山「え? え? そんなにサーフィンにガッツリ入れ込むんですか?」

運転手「はい、そうです。藤沢にサーフィンをするためだけに引っ越すんです」

セブ山「へぇ……、まさか、そこまでサーフィンを愛されているとは……」

運転手「実は、タクシーだけじゃなくて、もうひとつ仕事をしているんですが、それだと、なかなか海に行く時間が作れなくて」

セブ山「……」

運転手「藤沢に住んだら、タクシー運転手はやめて、その時間をすべてサーフィンにつぎ込もうと思っています」

セブ山「……すごい」

運転手「私も、もう50歳を過ぎまして、カラダが元気に動くのが、あと10年だと感じたんです。それだったら、残りは大好きなサーフィンを突き詰めてみようかなと思いまして」

セブ山「か、かっこいい……」

見た目は、どこにでもいる普通の50歳前後のおじさんだったので、「サーフィンをちょっとかじってます」くらいなのかと思っていたら、実はサーフィンのために引っ越すくらいの「どサーファー」だった運転手さん。

その後も、サーフィンへの熱い思いを語ってくれました。

■ 「海が見たい」と言ってきた客は他にもいたのか?

セブ山「僕みたいに”海が見たい”って言ってきた客は過去にいましたか?」

運転手「いないです!」(キッパリ)

セブ山「ですよね……」

運転手「やっぱり、漠然とした目的地だと困っちゃいますね」

セブ山「すみません……」

運転手「あっ、いえいえ! いいんです! 私も、急に”海が見たい”って言われて、ちょっとワクワクしたので! どこにお連れしたらいいんだろうかと頭がフル回転して楽しかったです!」

セブ山「そういっていただけると助かります……」

運転手「まだ日も高いので、今日は高速道路を使わずに下道でゆっくりのんびり行きましょう!」

セブ山「お願いします」

なんとなく運転手さんと仲良くなれてきたような気がします。

「乗車拒否」覚悟で、むちゃなお願いをしてしまいましたが、良い人でよかった!

なんだか、もっと運転手さんのことが知りたくなってきました。

■ 運転手さんの「もうひとつの仕事」とは?

セブ山「そういえば、先ほど”もうひとつ仕事をしている”って言ってましたが、どんなお仕事をされているんですか?」

運転手「ファイナンシャルプランナーです」

セブ山「えっ! ファイナンシャルプランナーって、資産運用のお手伝いをする仕事ですよね? 全然、違いますね! 意外だ!」

運転手「そうなんですよね、平日はタクシーの運転手で、休日はファイナンシャルプランナーをしています」

セブ山「なんで、またそんな異なる二足のわらじを……?」

運転手「ファイナンシャルプランナーの仕事って、富裕層のお客様が休みである土日がメインなんです。平日昼間のこういう時間は、打ち合わせは入らないので、その時間を使ってタクシー運転手をしています」

セブ山「なるほど! ちょうどうまく時間配分をして、稼いでいるわけですね!」

運転手「いやいや、タクシー運転手は全然稼げないですから」

セブ山「えっ、そうなんですか?」

運転手「タクシーって儲かっても、なんだかんだで半分は持っていかれるので手元には全然残らないんです。だから、僕はお金じゃなくて、精神の健康のためにタクシー運転手をしています」

セブ山「なるほどなぁ、そういう働き方をしているタクシー運転手もいるんだ」

■ 仕事に煮詰まった時、運転手はどうしているのか?

「海が見たい……」と言うと、もっと車内では、運転手さんが慰めてくれるのかなと予想していましたが、今のところ、そんな感じは全くありません。

「気持ちはわかりますよ、私もそんなことがありました」みたいな感じで慰めてもらいたいので、運転手さん自身の失敗エピソードも聞けるような質問を投げてみます。

セブ山「僕は仕事で失敗しちゃったので”海が見たい……”と思って、タクシーに乗りましたが、タクシー運転手さんは仕事で失敗した時ってどうするんですか?」

運転手「失敗は、しないです」

セブ山「えっ!?」(思っていた答えと違う!?)

運転手「タクシー運転手の一番大きな失敗って、事故なんですよね。だから、『失敗=死』になっちゃうので、失敗はないです。それに、ファイナンシャルプランナーの仕事も、お客様から大きなお金を預かることになるので、それを(投資リスクで失うのではなく)人的ミスで紛失してしまったりすると、そのまま『失敗=犯罪』になったりするので、ここでも失敗はないです」

セブ山「たしかに……まあ、それはそうですね……」

運転手「ミスって結局はすべて”勘違い”が原因なので、それが起こらないように何度も何度も確認するようにしています。お客様もぜひそうすることをおすすめします」

セブ山「はい……」

すごく良い話は聞けたのですが、ちょっと聞きたかった話と違ったので、質問を変えてみます。

セブ山「じゃあ、仕事が嫌になる時はないんですか?」

運転手「それは、まぁ、ありますね。他にもっといい仕事があるんじゃないかと考える瞬間はあります」

セブ山「そういう時ってどう発散させているんですか?」

運転手「やっぱり波乗りですね。サーフィンがあるから、なんとかやっていけています」

セブ山「そっかぁ、やっぱり仕事以外にも熱中できるものを持っておくっていうのが重要なんですね」

運転手「それもありますが、ちょっとスピリチュアルな話になっちゃいますが、海って塩じゃないですか? だから、海につかると清めてくれるんじゃないかと僕は思っているんですよ。嫌なことはすべて海に帰すことができる、みたいな感じで」

セブ山「……」

運転手「そうこう言っているうちに、もうレインボーブリッジですよ」

セブ山「あっ、本当だ! キレイだなぁ~」

運転手「海を見たあとはどうするんですか?」

セブ山「どうしましょうかね?」

運転手「会社は目黒の方なんですか?」(※このタクシーには、目黒区から乗車しました)

セブ山「そうですね、フリーランスなので会社勤めではないんですが、よく目黒で仕事をしています」

運転手「そうですか、僕もよく目黒につけているんで、よかったら、また連絡くださいよ。サーフィンするなら教えますよ」

セブ山「えっ、本当ですか?」

運転手「フリーランスなら尚更なおさら、サーフィンはいいと思いますよ。ひとりで波と向き合うことになるので、普段からひとりで仕事をしている人にはぴったりだと思います」

セブ山「そっかぁ、じゃあ、サーフィンはじめてみようかな?」

運転手「さぁ、着きましたよ。お台場です。海浜公園を一周してリフレッシュしてきてください。少し歩くとコンビニもあるので、こんな天気のいい日は、お弁当でも買って、青空の下で食べるのもいいかもしれません」

セブ山「ありがとうございます、何から何まで」

運転手「いえいえ、こちらこそご乗車ありがとうございました。料金は4690円になります」

セブ山「はい、これでお願いします」(5000円札を渡す)

運転手「では、310円のお返しです。ついでに私の名刺を渡しておきますね。メールください。ぜひサーフィンしましょう」

セブ山「あっ、ありがとうございます! 連絡します!」

というわけで、ドラマのようにタクシーに乗って「海が見たい」とだけ告げたら、このような結果になりました!

【結論】
タクシーに乗って「海が見たい」と告げたら、
お台場に連れて行ってくれる!
そして、運転手さんと一緒に
サーフィンを始めることになる!
(セブ山調べ)

というわけで、いかがだったでしょうか?

「ドラマでよく見るシーンだから一度はやってみたい!」というミーハーな動機で実験してみましたが、思っていたものとはまた違う結果になりました。

みなさんも、仕事に疲れたら、タクシーに飛び乗って「海が見たい……」と告げてみてはいかがでしょうか?

その際は、運転手さんを困らせないようにくれぐれも「どこの海なのか」をちゃんと伝えましょう。

だってこれはドラマではなく、現実なのだから。

撮影日:2014年4月25日

(セブ山@sebuyama/ノオト)

セブ山(Twitter:@sebuyama)+有限会社ノオト(外部サイト)

フリーのライター。平日毎日更新の ウェブマガジン「オモコロ」(外部サイト)や「トゥギャッチ」(外部サイト)で活動中。

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