まとめサイトの画像盗用にはどう対処すべき!? その道のプロに聞いた

2014/8/19 20:16 ネタりか自由帳

まとめサイトの画像盗用にはどう対処すべき!? その道のプロに聞いた まとめサイトの画像盗用にはどう対処すべき!? その道のプロに聞いた

スマートフォンを使って、さまざまな実験を行うこの企画。第109 回は、まとめサイトの画像盗用にはどう対処すべきかを調査します。

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こんにちは、ヨッピーです。

突然ですが、みなさんは「まとめサイト」を利用したことがあるでしょうか?
「まとめサイト」とは、インターネット上にあるさまざまな情報や、データを見やすく集約しているサイトの総称。

最近では、スマートフォン向け「まとめサイトビューアアプリ」が登場しており、この「まとめサイトリーダー Free」もそのひとつです。

また、昨今では「HuffPost(THE HUFFINGTON POST)」や「BuzzFeed」といった、ソーシャル上での拡散を狙いとした「バイラルメディア」と呼ばれるサイト群が隆盛で、こちらもネット上に公開されている動画や画像などをまとめて紹介する手法を取っております。そういう観点から、バイラルメディアも広い意味で「まとめサイト」と呼べるでしょう。

そんな「まとめサイト」ですが、たびたび巻き起こるのが画像盗用に関する論争です。

ひとつの事例を紹介しましょう。

こちらは「赤ソファ」さんという人のツイート。「止まれ」の標識が連続で並んでいる群馬県のとある道路の写真です。同ツイートは、Twitter上で話題になり、テレビにも取り上げられました。

この写真をGoogleで画像検索してみると……

このように、いろいろなまとめサイトで盗用されていることが分かりますね。

また、こちらの写真をご覧ください。

これは僕が以前、電車の中でエロ本を読んでいるところを撮影したものなんですが、これも同じように画像検索をかけてみると……

はい。めっちゃパクられていますね

「まとめサイト」は似たようなネタを扱う傾向にあり、1つのサイトにパクられると、ほかのサイトにも流用。それがどんどん拡散していき、最終的には上の画像のような、地獄みたいな図式ができあがるわけです。

僕なんて思いっきり顔も出ているし、もちろん画像利用の依頼にオッケーを出した記憶もありません。明らかに肖像権、および著作権の侵害になるわけですが、こういった事例は後を絶ちません。

まぁ僕の肖像権は別にいいけど。

では、このような画像盗用の被害に遭ったとき、どのように対応すればいいのでしょうか? 専門家に聞いてみました。

 

専門家その1:Twitter戦士「赤ソファ」さん

こちらが、冒頭で紹介した「連続止まれ」の画像を各まとめサイトで盗用された赤ソファさん。彼は盗用された後、削除してもらうよう対応したといいます。

赤ソファさん「まず言っておきたいのですが、僕は別に『画像を使われるのが嫌だ』というわけではないんです。ネットの文化って、1つのネタをみんなでいじって、どんどんおもしろくしていく、みたいなところがあるじゃないですか? なので、ルールをガチガチに縛っちゃうと、そこらへんのネットの良さが死んじゃいますからね。とはいえ、ソース元を明かさずに他人の画像を勝手に盗用して小遣い稼ぎしているサイトはどうかと思いますし、やっぱり元ネタへのリスペクトは忘れちゃダメですよね。で、著作権っていうのは親告罪で、権利の侵害を受けた本人が対抗しないとどうにもならないんで、ネタになればいいな、と思って対応してみたんです」

実際にどのように対応したのか聞いてみた。

■まずは削除要請から

大抵のサイトには、上記のような連絡フォームがあるので、ここから削除要請を出すのが基本。

この削除要請を出したことで「ハム速(ハムスター速報)」など2つのサイトは記事の削除に応じたようだ。
しかし、要請から削除されるまでかなりタイムラグがあり、赤ソファさんがいうには「『ある程度PV(ページビュー)を稼いだら消してもオッケー』みたいなノリなんでしょうね」とのこと。

しかし、ある1件のサイトについては反論してきたらしい。上記の画像は、そのサイトの管理人が赤ソファさんの削除依頼に対応したあと、Facebookに投稿した内容である。

ここでリンクされている「NAVERまとめ」に、以下のようなTwitterの規約が紹介されている。

ユーザーは、本サービス上にまたは本サービスを介してコンテンツを送信、投稿、表示することをもって、媒体または配布方法(既知のまたは今後開発されるもの)を問わず、かかるコンテンツを使用、コピー、複製、処理、改変、修正、公表、送信、表示および配布するための、世界的な非排他的ライセンスを(サブライセンスを許諾する権利と共に)当社に対して無償で許諾するものとします。

本サービスを介して送信したコンテンツを、他の媒体やサービスで配給、配信、配布または公表することを目的として、当社のパートナーとなっている他の会社、組織または個人に対して提供する権利が含まれることに、同意したものとします。

Twitter、またはTwitterのパートナーとなっている他の会社、組織または個人は、本サービスを介してユーザーが送信、投稿、転送または提供するコンテンツについて、ユーザーに報酬を支払うことなく上記のように追加的に利用できるものとします。

当社は、ユーザーのコンテンツをコンピュータネットワーク上や様々な媒体において送信、表示、もしくは配布するために修正または改変できるものとし、さらに/またはネットワーク、デバイス、サービスまたは媒体の要件もしくは制限に適合させるために、必要に応じてユーザーのコンテンツに変更を加えることができるものとします。

これを読むと「Twitterにアップした写真は、どう使われても文句はいえない」と受け取る人もいるかもしれないが、この規約はあくまで「Twitter社、もしくはTwitterのパートナー会社に限って、利用することに文句はいえない」だけであり、誰彼構わず無断利用していいというわけではない。

転載する場合は「TwitterのAPIを必ず利用しなければいけない」ということもはっきりと規約には書かれている。なので、盗用した画像を個人のブログなどにアップして公開すると明白な著作権の侵害になるのだ。

赤ソファさん「TwitterのAPIを使って画像を表示させている場合は、規約上文句はいえませんが、この反論してきた人は連続止まれの画像を自分のサーバーにアップしていたので、規約どうのこうの言える立場じゃないんですよね。そこを指摘したら記事を削除することに合意してくれました」

ちなみにTwitterのAPIというのは、

TwitterのAPIが正しく使われている画像については、元ネタが誰のもので、どのくらいリツイートされているかなどが分かるようになっている。

この方式で表示されている場合については、Twitterの規約上引用の範囲となり、無断盗用にはあたらない。しかし、APIを正しく利用しているように見せかけて、画像そのものを自分のサーバーにアップしているサイトも多く見られるのが現状だ。

■広告主への問題報告

「削除要請」という正攻法に続いて、「広告主を攻める」という兵糧攻めみたいな戦法に出た赤ソファさん。

赤ソファさん「そもそも、まとめサイトってアフィリエイト収入狙いなわけで、例えばGoogleアドセンスなどのアフィリエイトプログラムを止めることができれば、かなり痛手になるはずなんですよね」

そんなわけで赤ソファさんは、広告主に対して「無断盗用をしている問題のブログ」であることを報告すると同時に、TwitterのAPIを利用してハンドルネームを下記のように変更したのだ。

上記のサイトでは、TwitterのAPIがきちんと表示されているように見えるが、実際、画像はサーバーにアップされているので無断盗用となる。

そこで、アドセンスのクリックを呼びかけるハンドルネームに変更。このような文言を表示させている記事はアドセンスの規約に引っかかる可能性があるのだ。

僕「よくそんなこと思いつきますね

赤ソファさん「まぁ実際それでアドセンスが止められるかどうかは分かりませんけど、サイト運営者に『面倒な相手だな』って思わせる効果はあると思います」

このような対応によって、無断盗用をしているサイトの記事を削除させることには成功したようだが、その後、画像をパクったツイートを使って記事にするサイトまで現れ、とうとうさじを投げたらしい。

赤ソファさん「絶対にパクられたくないのであれば、ネットにアップしないことが最善策なんでしょうね……。パクったところをさらにパクったりとかっていう状況になったら個人では対応しきれませんから。『使わせて』ってひとこと言ってくれれば、全然構わないんですけど……」

やはり、個人で対応するには限界があるらしい。とはいえ、多くの悪質なサイトには、このような方法で対応できるというのは覚えておくといいかもしれない。

詳しい対応については、赤ソファさんがご自身のnoteにまとめていらっしゃるのでそちらを参考にされたし。

では、このような画像盗用をしたサイトを訴えたらどうなるのか?
現役バリバリの弁護士に話を聞いてみた。

 

専門家その2:美人弁護士のYさん

こちらが弁護士のYさん。顔出しNGだが、かなりの美人だ。

ちなみにYさんは赤ソファさんから紹介してもらった。赤ソファさんが画像盗用サイトとやりとりをしていた際、Yさんにアドバイスを求めていたらしい。

Q:著作権、肖像権の侵害でまとめサイトを訴えたらどうなるの?

Yさん「権利侵害があるなら、もちろん勝てますよ。ただし、時間とお金と手間がすごくかかります

Yさんいわく、画像盗用サイトを訴えるには以下のような手順を踏むらしい。

1:個人が匿名で運営しているサイトだったら、まずサイト運営者を特定しなければならない。サイト運営者にメールなりコメント欄なりで連絡をとってみる

2:すんなり教えてくれないだろうから、例えばそのサイトがライブドアブログならLINE、はてなブログならはてなといったブログの運営元に発信者情報の開示請求を送る

3:これも普通はすんなり教えてくれないから、裁判所に発信者情報開示請求をする

4:裁判所からの開示決定に基づいて、サイトの運営元がIPなど運営者の情報を教えてくれる

5:その情報をもとに、今度は接続業者(ぷららとかOCNとか)に開示請求を送る

6:これもまた普通は教えてくれないので、再度、裁判所に開示請求をする

7:手に入れた相手の個人情報をもとに、裁判所に訴えを起こす

というルートだそう。

面倒すぎる。

Yさん「そうなんですよ。ブログの運営会社と接続業者の2社に対して別の開示請求を裁判所に起こさなきゃいけないですし、それによってお金も手間も時間もかかるんですよね。開示請求は個人でもできますが、弁護士に頼むと当然その分のお金がかかります。そのようにして損害賠償請求訴訟に持ち込めたとしても、弁護士に依頼するなら、まず着手金で最低10万円ぐらいは払う必要がありますし、裁判に勝っても取れる金額はそんなに大きくないです。権利侵害の内容・程度によりますけど、写真の盗用だといいとこ20万円くらいじゃないでしょうか。普通は成功報酬として少なくともその2割くらいの額を弁護士さんに支払うことになります。よほど権利侵害の程度が強いとか、信念が強いとかなら別ですが、単純に費用と手間暇だけを考えたら、まぁ割に合わないです

僕「なんですかそれ! じゃあ僕のこの写真の件も、訴えてもお金と時間の無駄ってこと!?」

Yさん「裁判すると勝てるんですよ。たしかに勝てるんですけど、ヨッピーさんのこの場合、肖像権の侵害っていう精神的な苦痛って、裁判所は一般の人が思うよりあんまり重要視してくれないんですよね。例えば殴られてけがした、みたいな事案なら治療費はきっちり出るはずなんですけど、精神的な損害だけだと金額的には安くなりがちです」

僕「じゃあどうしたら……!」

Yさん「個人が匿名で運営するブログとかに対抗するのは、やはり手間暇がかかります。裁判に持ち込むまでが面倒ですから。会社として運営しているサイトなら住所とかは分かっているわけですから、すんなり裁判に持ち込めると思います。しかし、そういう場合はいきなり裁判にするのではなくて、事前に内容証明なりFAXなりを送って和解金をもらうのが良い方法だと思います」

僕「じゃあ、『○○被害者の会』みたいなのを結成して開示請求をみんなで一本化すればスムーズになるんですかね?」

Yさん「そうですね。それならひとつでも開示が受けられれば、相手を特定できるので、少しはスムーズになるかもしれませんね。とはいえ、裁判自体はひとつにまとめることができますが、権利侵害の内容・程度はひとりひとり違うので、個別に主張・立証しなければいけません」

僕「面倒くさすぎる……!」

■試しに開示請求してみた

そんなわけで、僕の画像を盗用したとあるサイトはライブドアブログなので、運営元のLINEに運営者情報の開示請求をしてみた。

イエーイ! 開示請求送ったったー!

【実際に僕がLINEに送ったメール】※一部伏せ字にしております
—————————————–
件名:「○○○」による著作権及び肖像権の侵害について

貴社が運営しております「ライブドアブログ」を利用したブログ「○○○」の記事「まさかお前らも電車でこんなことしてんの?」内で私の肖像権及び著作権が侵害されました。

まさかお前らも電車でこんなとしてんの?
http://xxxx

該当記事の冒頭にある電車内の男性が私本人です。
2013年12月に私が撮影、執筆し、公開したこちらの記事から盗用したものと思われます。

http://omocoro.jp/kiji/3656/

魚拓と元ネタ記事を見比べて頂ければ私の権利侵害、及び貴社ライブドアブログの規約違反であることが明白にご理解頂けると思います。
つきましては「○○○」管理者に訴訟の手続きを行うにあたり、発信者情報の開示をお願い致します。
—————————————–

そしたらLINEから「書類を送れ」みたいなことを言われた。
まぁ個人情報を扱うわけだし、簡単に教えてくれないのは当たり前ではあるが……。
用意するように言われたのが、

—————————————-
●発信者情報開示請求の手続き
・発信者情報開示請求書
http://www.isplaw.jp/d_form.pdf
・3ヶ月以内の印鑑登録証明書(原本)
・本人確認書類(法人の場合は、「登記事項証明書」)
「1枚で受け付けているもの」
運転免許証・住民基本台帳カード・住民票記載事項証明書、パスポート、のいずれかのコピー
—————————————–

面倒すぎる。

Yさんが言うには、ネットの進化に今のところ法律の整備が追い付いていないらしい。
現状ではよっぽどの場合じゃない限りは、骨折り損になるようだ。

とはいえ、そういう盗用サイトを実際に訴えるところまでやってみたいと思っております。みなさんには続報を楽しみにお待ちいただきたい。

盗用ダメ! ゼッタイ!

撮影日:2014年8月3日

 

ヨッピー(Twitter:@yoppymodel)+有限会社ノオト

フリーのライター。平日毎日更新の Webマガジン「オモコロ」(外部サイト)や「トゥギャッチ」(外部サイト)で活動中。

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