関東からの通勤者も!? 死と隣り合わせで戦う「ハブハンター」という生き方

2015/4/7 11:40 ネタりか自由帳

関東からの通勤者も!? 死と隣り合わせで戦う「ハブハンター」という生き方 関東からの通勤者も!? 死と隣り合わせで戦う「ハブハンター」という生き方

スマートフォンを使って、さまざまな実験を行うこの企画。第139回は、知られざる「ハブハンター」の世界を調査します。

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世の中には、さまざまな危険な職業があります。

そのなかでも、上位に食い込みそうなのが「ハブハンター」です。

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「ハブハンター」とは、その名の通り、猛毒のヘビ「ハブ」を捕まえることを生業(なりわい)にしている人のこと。

かまれると命の危険さえある恐ろしいハブを捕まえる、命知らずの職業です。

しかし、そんな「ハブハンター」ですが、ハブ自体が奄美大島などの一部の温かい地域にしか出現しないため、ほとんどの人にとってなじみがありません。

なじみがないどころか、「ハブハンターは都市伝説では?」「ハハブを捕まえるだけで生活できるとは到底思えない」という書き込みが、ネットのあちこちで見受けられます。

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というわけで今回は、ハブのことなら日本一! いや、もしかしたら、世界一かもしれない「奄美観光ハブセンター」にやってきました!

こちらで、知られざるハブハンターの実態を調査したいと思います!

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そんなわけで、さっそくお邪魔します。

「こんにちはー! 東京からやってきましたセブ山です!」

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暖かく迎えてくれたのは、奄美観光ハブセンターの女性スタッフの方。

「遠いところ、はるばるいっらしゃいませ! 疲れたでしょう、どうぞ一杯」と、さっそくなにかを勧めてくれます。

アットホームな雰囲気がいいですね!

「これはどうも! いただきます! ……ところで、これは何ですか?」

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「ウチで作っているハブ酒です」

「は、ハブ酒!?」

「飲んだことありますか?」

「いや、ないです……」

「おいしいですよ!」

……と、勧められるまま、飲んでみることに。

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「いただきます」(チュッ)

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「ゴホッゴホッ! ゴフッ! すごいっ! ゴホッ!」

アルコール度数がキツすぎて、思わずむせてしまいました。

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「いや、でも、これ、おいしい! 不意打ちをくらってむせちゃったけど、飲みやすくて、深みがあって、すごくおいしい!」

このあと、個人的にハブ酒を購入しました。

そんなハブ酒を飲んで、ピンコピンコになったところで、スタッフの方に「ハブハンター」についてお話を聞きます。

■ハブハンターの月収は!?

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セブ山「そんなわけで、ハブハンターについていろいろと質問してもよろしいでしょうか?」

ハブセンターの女性スタッフ(以下、ハブ子さん)「はい、なんでもどうぞ」

セブ山「そもそも、ハブハンターという職業は存在するんですか?」

ハブ子さん「存在しますよ」

セブ山「やっぱり、いるんだ!」

ハブ子さん「あ、待ってください。正確には『存在した』の方が正しいかもしれません」

セブ山「ん? 今はもういないってことですか?」

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ハブ子さん「数年前までは、専業でハブハンターをされている方がいらっしゃいました。2メートル超えのハブを捕まえたこともある伝説的なハブハンターでしたが、数年前に高齢を理由に引退されています」

セブ山「なるほど、今現在、専業でハブハンターをされている人はいないってことですね」

ハブ子さん「おそらく、そうだと思います」

セブ山「“専業のハブハンターはいない”という事実は、ハブハンターはもうからないってことを物語っていると思うのですが、どうなんでしょうか?」

ハブ子さん「引退されたハブハンターの方は、ひと月で36万円くらい稼いでいたらしいですが、2014年度からは、ハブの買取価格が一律3,000円に引き下げられたので、今は、ハブハンターだけで生計を立てるのは難しいかもしれませんね」

セブ山「たしかに、月収36万円を保とうと思ったら、毎月120匹のハブを捕まえないといけない計算なので、あまり現実的ではないかも」

■実は、島民全員がハブハンター!?

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ハブ子さん「ただし、副業やおこずかい稼ぎとして、ハブを捕まえている人たちはたくさんいますよ」

セブ山「兼業でハブハンターをされている人は、今も存在するわけですね。そういう人たちは、どれくらいいますか?」

ハブ子さん「え? どれくらい? う~ん、奄美大島の住人は、ほぼ全員がハブハンターじゃないんですかね?」

セブ山「……え?」

ハブ子さん「セブ山さんは、なにか勘違いされているみたいですが、奄美大島の住人にとって、ハブは別に珍しい生き物ではないんですよ。むしろ、日常なんです」

セブ山「日常……?」

ハブ子さん「ハブは年間で、何匹くらい捕獲されると思いますか?」

セブ山「えっと、分かりません。どれくらいなんですか?」

ハブ子さん「年間約3万匹です」

セブ山「えー! めちゃくちゃ捕まえられているじゃないですか!」

ハブ子さん「そうなんです。それくらい奄美大島にはハブがたくさんいます。家の庭に迷い込んできたり、車の下に潜んでいたり、私たちの生活のすぐそばにハブはいるんです」

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ハブ子さん「たとえば、小学校の絵画コンクールでよく“交通安全”や“火事注意”といったテーマで、みんな、絵を描いたりしますよね? あれが、奄美大島では“ハブ注意”、“ハブは危険”といったテーマで描かれています」

セブ山「へー! 知らなかった! 奄美大島の人にとっては、ハブは車や火の元に並ぶ、身近な危険なんですね」

ハブ子さん「分かってもらえましたか? だから、奄美大島の住人は、ワンセットは必ず、ハブ捕獲の道具一式を持っています」

セブ山「えっ!? 大阪人が一家に一台はたこ焼き器を持っているみたいに?」

ハブ子さん「大阪人のそれは分かりませんが、奄美大島の住民は、いつハブに遭遇してもいいように、車には必ずハブ捕獲セットを乗せていますよ」

セブ山「そうなんだ……。でも、ハブを捕まえる道具って一体どんなものなんですか?」

ハブ子さん「見てみますか?」

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ハブ子さん「こちらが、ハブを捕まえるための道具です」

セブ山「ほうほう、これが!」

ハブ子さん「先端がフック状になっているので、それをハブの頭部にひっかけて、手元のレバーで絞めて捕獲します」

セブ山「作り自体は、カンタンな構造なんですね」

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ハブ子さん「捕獲したあとは、こちらの専用の箱の中に入れて閉じ込めておきます」

セブ山「なるほど。こういったハブ捕獲のための道具って、どこに行けば買えるんですか?」

ハブ子さん「普通にスーパーで売っていますよ」

セブ山「えっ!?」

ハブ子さん「さっきも言った通り、奄美大島では、ハブを捕まえることはなにも珍しいことじゃないんです。主婦だって捕まえたりしているんですから」

セブ山「本当ですか……?」

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半信半疑でしたが、インタビュー後、奄美大島のスーパーマーケットに行ってみたところ、本当にハブ捕獲のための道具が、普通に売られていました。

関東近郊では、ホームセンターでも見かけたことはないので驚きです。

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ちなみに、お値段ですが、大体1万円ちょっとで、道具一式を買えるみたいです。

言い方を変えると、1万円ちょいの初期投資で、ハブハンターになれるみたいですね。

■関東からの通勤ハブハンターがいる!?

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セブ山「いやー、奄美大島の方は、ある意味、島民全員がハブハンターだということがよく分かりました」

ハブ子さん「分かっていただけましたか。あ、でも、最近は、島民以外の通いのハブハンターもちらほら増えてきました」

セブ山「はぁ? 通いのハブハンター? なんですか、それは?」

ハブ子さん「バニラエアが2014年7月より東京(成田)=奄美大島線に就航したのは知っていますか?」

セブ山「あ、それは知っています! 僕もそれに乗って、奄美大島に来ました! これまでは首都圏からの直行便はJALの羽田=奄美大島線(1日1便)だったので、グンッと奄美大島が近くなりしましたよね」

ハブ子さん「そうなんです。値段的にも、これまでは片道4万円とも言われる運賃の高さだったのが、LCCのおかげで、その半額~3分の1程度の金額で奄美大島に来てもらえるようになったんです」

セブ山「かなり安くなりましたよね。2014年冬期運航スケジュール期間中の値段なんて、片道5,500円~でしたもん」

ハブ子さん「そんな便利になった東京(成田)=奄美大島線を利用して、ハブ取りの道具だけ奄美大島に置いて、関東から通っている人が実際にいるんです」

セブ山「すごい! 通勤ハブハンターですか! そこまでくると、もう趣味としてハブハンターをやっているのかも」

ハブ子さん「そうかもしれません」

セブ山「でも、境遇的には僕と一緒ですよね!」

ハブ子さん「ん? どういう意味ですか?」

セブ山「いや、ハブとは無縁の関東に住んでいる人間が、ハブハンターをできるってことは、僕にもできるってことですよね?」

ハブ子さん「いやいやいや、無理ですよ」

セブ山「えーなぜですか? 奄美大島では主婦や、お年寄りでもハブを捕まえているんですよね?」

ハブ子さん「それは、奄美大島の人間が、幼いころからハブの生態や、危険性をしっかり学んできたからです。セブ山さんはハブについて知っていますか?」

セブ山「いや、知りませんけど……。でも、ハブとはいえ、しょせんはヘビの仲間でしょ?」

ハブ子さん「分かりました。そこまで言うなら、こちらにどうぞ」

セブ山「え、どこに行くんですか?」

■ハブを知らずしてハブハンターにはなれない!

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というわけで案内されたのは、ハブセンターの2階。

ここは、ハブのことをよく知るための映像上映室なんだとか。

奄美大島に赴任することになった警察官には、まずここでハブのこと学ぶ研修が開かれるそうです。

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上映される映像では、ハブの生態について詳しく知ることができます。

「不用意に草むらに入らず、道の真ん中を歩く」「ハブは日光に弱いので、太陽の下にいたら出会わない」など、ハブに遭遇しないための対策から、「ハブの交尾は26時間も続く」「ハブのペニスは4本もある」といったトンデモ雑学まで、ハブに関するさまざまなことを学べました。

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ここでは、これでもかというくらいハブの恐ろしさを知れるので、嫌でも上の写真のような表情になります。

ハブセンターに観光に訪れた人は、誰でも視聴できるそうなので、僕のように「ハブをなめている人」はぜひ見てみてください。

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ちなみに、今では見ることができなくなってしまった「ハブvs.マングース」の貴重な戦いも収録されていました。

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余談ですが、上映室には、若かりしころの長渕剛さんの写真も飾られていました。

長渕さんがパワフルなのは、ハブのおかげかもしれませんね。

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ハブ子さん「どうですか? ハブの恐ろしさが分かりましたか?」

セブ山「はい、めちゃくちゃよく分かりました……。あの、これは何ですか?」

ハブ子さん「それはハブの牙です」

セブ山「こんなものも見られるんですね……」

ハブ子さん「本物のハブも見られますよ」

セブ山「え?」

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続いて、案内していただいたのはハブセンターの地下にあるハブ飼育展示場。

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ここでは、その名の通り、ハブが飼育されています。

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うじゃうじゃ飼育されています。

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さらに、ハブ飼育展示場の奥には、もしハブに咬まれたらどうなってしまうのかがよく分かる写真が展示されていましたが、とても掲載できないようなショッキングなものばかりでした。

それくらいハブの毒は恐ろしいということがよくわかります。

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というわけでハブセンターを見学させてもらってわかったことがあります。

それは……、

【結論】
ハブハンターになるためには、
試験も資格も必要ないが、
ハブについての知識がない者は、

危険すぎるので絶対に
ハブに近づいちゃダメ!

当たり前の結論ですが、ハブセンターでは「ハブは想像以上に恐ろしい」ということを学ばせていただきました。

あなたもぜひ、奄美大島に行った際は、ハブセンターを訪れてハブの恐怖に震えてみてはいかがでしょうか?

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【奄美観光ハブセンター】
入場料=大人(高校生以上)500円、小人(小・中学生)300円
住所=鹿児島県奄美市名瀬長浜町3-15

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今回、ご紹介した「奄美観光ハブセンター」のほかにも奄美大島にはまだまだ魅力的な観光スポットがたくさんあります!
アプリ「るるぶデジタルストア」内で購入できる「るるぶ屋久島 奄美 種子島’15」を参考にして、奄美大島を楽しんでみては?

撮影日:2015年1月31日

(セブ山@sebuyama/ノオト)

セブ山(Twitter:@sebuyama)+有限会社ノオト(外部サイト)

フリーのライター。平日毎日更新の ウェブマガジン「オモコロ」(外部サイト)や「トゥギャッチ」(外部サイト)で活動中。

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